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パリの空気

 やはり年寄りの母を傍で看るということは責任重大のような気がする。無事バトンタッチが出来ました。いつも側にいてくれる次女である姉に感謝!
 気分転換に本を読んでいましたら、森有正の日記にこんなことが書いてありました。

 時々、ふと「パリの空気」に気がついて、体中がむずむずし、ぎくりとする。そしてぞーっとする。人間の頭のてっぺんから足の裏まで、一分のすきもなく、びっしりと蜂の巣のように穴だらけにしてしまう、おそろしいパリの空気、ああ僕は、その蜂の巣になってしまった人間を何人この目で見ただろう。ああ、おそろしい。不断の仕事だけが、不断の前進だけが、それから、僕を守ってくれる。リールケはこのおそろしい空気を十二分に知っていた。それで時々にげ出した。そして又猛烈に仕事をした。プワーッと不気味な音がしたと思うともうその人はむごたらしい、蜂の巣になってしまっている。そして目ばかりがギョロギョロさせて生きている。ただありがたいことに、この「生きている蜂の巣」は伝染病ではないらしい。 

おかしさがこみ上げてきました。
 Mein Sohnが幼時のとき、パリに住んでいましたので、17歳の時、ドイツから勇んでパリへのりこんでいきました。一人で!
先ずはエコール・ノルマルに籍をおき、通い始めたものの、靴に穴が開くほど歩き回り、パリを自分と消化出来ることを願い、彼なりの努力はしたようですが、「パリの空気」に恐れをなしたのか、一年後、ドイツを経て、今、日本で足を地につけています。
一年でも自分の意志でパリを垣間見たことは蜂の巣にならず、大人はホッとしたものです。愚息を偉大な方の中で比較するなんて大それたことではありますがパリとはそういう処です。
 また若者の暴動が起きているようですね。
by madamegrimm | 2007-11-30 20:01 | フランス事情 | Comments(0)

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