改版『ロマネ・コンティの里から』を楽しむ
2017年 02月 10日
マスコミはアメリカトランプ大統領のニュース一辺倒にこの国はどこへ向かっていくのか・・・日々不安がよぎりますがそのような事を考えてもどうしようもない一庶民、多忙に追われながら本屋さんで目についたこちらの文庫本、中央公論新社・戸塚真弓著『ロマネ・コンティの里から』(ぶどう酒の悦しみを求めて)を読了。
懐かしいフランス時代が私に襲ってきました。ほぼ同時代、この方がお書きになっているワインの事柄は丁度同じころからパリに住み始め手探りで日本人社会の方々と交流した食事会での話題の中心がフランスのワインであり、諸々の料理と共に白ワイン、赤ワイン、ローゼ、シャンパーニュ、を皆で楽しみながら戴いたり用意したり、リアルに蘇えってくるのでした。
ブルゴーニュ地方の小さな村から作られるこのかの有名な赤ワイン・ロマネ・コンティを一度でも口に含めたい気持ちになった日本人は沢山いらっしゃいました。想像だけでもまろやかな味わいが私の口の中に拡がって来ます。
この本の中にそこの醸造長のアンドレ・ノブレ氏は、このぶどう酒の香りを、「雷雨の後の、しっとりとぬれた森の中で、一枚の枯葉をひろいあげて匂いをかいだ時のようだ」と表現したのである。と記しています。
ま、フランス人らしい表現ですが、確かにワインはこのような湿度と温度、自然現象が大きく左右されて人々にその一本一本から思いがけない喜びを分かち合うワインの魅力、これには惹きつけられます。
最近の日本市場はイタリア産、スペイン産、南米方面からも沢山のワインが輸入されており、日本産もあなどれません。
フランスで旅をし、その土地で出会ったレストランでの料理に欠かせなかったle vinは私の心の財産であり、こちらの本によって新たな味わいが写し出されてくるのでした。
もう食も細くなり高価なワインはとても飲めませんが若い時に味わったワインと料理の味は決して忘れないものなのですねー。
ワインよ、幸せを有り難うです。