近代クラシック音楽に行きつく美
2016年 08月 14日
外出もままならぬ私は先日来中古で求めていたプロコフィエフのピアノ協奏曲第5番、運よくサンソン・フランソワとスヴャトスラフ・リヒテルの同じオーケストラと指揮者ウィトルド・ロヴィツキの協奏曲が手に入り、聴き比べています。
苦手であったプロコフィエフ、とんでもない、聴く機会をつくらなかった私の怠慢・・・この年になって演奏者によってこんなにも近代クラシック音楽がいえ、プロコフィエフの天才的音の組み合わせとそれを超天才的ピアニストによって、こうも面白く聴かせてくれる音楽の醍醐味!
私はリヒテルのピアノの音は昔から好きで彼のこのピアノ協奏曲第5番を聴いてこの難曲をよくもまともな彼の感性で弾きこなしている演奏に流石だなーとため息をつくのでした。
ところがフランソワはもっと違った感性で指揮者とオーケストラを自分に引き付け、いえ、引きつけているのではなく本人のピアノから溢れ出るイマジネーションとともにオーラが伴奏者たちを惹きつけ奮い立たせる演奏へと繋がっていくのです。
サンソン・フランソワは1924年生まれですが、あの大戦の中を恵まれた環境でヨーロッパ中を小さい時から音楽関係者を魅了翻弄させ、戦争の最中のロンティボーコンクールで優勝し個性的な演奏で指導者たちをかなり驚かせていた20世紀代表天才演奏家なのです。
ドビュッシーやラヴェルなどフランスの作品はもとより、プロコフィエフはアメリカで戦後、バーンスタインと共演しています。
神童と云われたフランソワは46歳で生涯をとじますが、リヒテルは正反対の生い立ちの中、彼の人間としての努力の賜物がピアニストとしての最高の地位を得ていったのでした。
リオ・オリンピックの競い合う国と国との戦いを観ていると人間の真髄とは何か、考えさせられている私です。
サンソン・フランソワのFotoのみ
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A8%E3%83%95-%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC3%E7%95%AA-%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2-%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%81-%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%BF/dp/B00VXMUJ3C/ref=sr_1_12?s=music&ie=UTF8&qid=1471277113&sr=1-12&keywords=argerich+prokofiev