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福永武彦著『忘却の河』(新潮文庫)を読む

 図書館で池澤夏樹の雷神・風神のつくエッセイ集を読んでいましたら父上の福永武彦の小説『忘却の河』の事が書かれていて読み始めたのですが借りた文庫が実に小さな文字でまいったなーと思い本屋さんを訪ねました。

ありました、2年程前に新しく発刊されていて文字も少し大きく読みやすいのです。

やれやれと思いながらあれもこれもの乱読になってしまい読み始めてから何とひと月、ようやく昨夜完読です。

福永氏独特のテンポで第一章から7章までの構成になっていてどれにも題名が付いているのですが全部繋がっていて読み応えのある素晴らしい小説になっています。

「私」という主人公の男性が繰り広げる出生からの一生に近いドラマと申しましょうか、丁度、自分の親の代から娘時代の情景がまるで同級生の友だちの家族を映しだしているような錯覚に陥る内容なのです。

作家の孤独な魂が美しい描写となってロマネスクの彫像のように私に迫ってきて何て上手な小説をお書きになる方なのだろうと、読み終えて幸せ感にひたっている自分なのでした。

昔、芹沢光治良という作家がおられましたが『パリに死す』という作品を読んだとき、男女の心の葛藤があの時代を生きる者にとって強く惹かれる何かがあったのですが、その反対側から男と女の魂の表現を静かな川のごとく人生をいかように生きて行くべきかを説いているような深い美しい作品でした。

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Commented by maru33340 at 2015-10-10 11:39
何とまあ懐かしい本であることか!
Commented by k_hankichi at 2015-10-10 13:37
懐かしいです!また読みたくなりました。
Commented by madamegrimm at 2015-10-10 13:38
maruさま 懐かしい本です^^ 「草の花」の作者ではありますがもっともっと深い魂の世界まで追求しようとする精神の葛藤がこの『忘却の河』から読み取れました。素晴らしい小説家ですね\(^o^)/
Commented by madamegrimm at 2015-10-10 13:43
はんきちさま 読みました。はい^^ 構成力の極まる小説家の真髄ですね(^_^)v
by madamegrimm | 2015-10-10 10:49 | 人間 | Comments(4)

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