映画『間奏曲はパリで』`La Ritournelle'を観る
2015年 05月 01日
フランス語のタイトルは『La Ritournelle』、辞書をひくと、オペラなどの合間にオーケストラや管弦楽で演奏されることのようであー、それで間奏曲なのですねと納得。
ノルマンディ地方の大きな牧場主夫妻が醸し出すドラマです。
フランスの牧畜産業が巨大な牛によって象徴されるようなこちらの国のスケールが伝わってまいりまして、東洋と西洋の違いをあらためて感じ取れる内容でした。
妻ブリジット役のイザベル・ユペールという女優が地方の女性を見事に演じていられましたが、夫グザヴィエ役がジャン=ピエール・ダルッサンとおっしゃる俳優で味のある演技に魅了されました。
映画自体は田舎の風景の中での若者たちのパーティが遠くの隣家から聞こえてくるような、その音楽もイギリスのロック調で少々間奏曲のごとく日頃の疲れも襲ってきて欠伸をもよおし、あー、地方の若者の心がわかるような・・・。
又そこにいる主婦としての立場や、パリのサーカス学校へ行っている息子の心や、牧場主の男性の立場で妻を見る姿などで、パリに出て束の間の思ひがドラマを盛り上げていくのでした。
パリは野崎氏も書いていらっしゃいましたが見事なまでに絵葉書的パリをいきいきと描き出していて、後半はテンポの早いリズムを感じながら終わりは夫婦でイスラエルの死海に休暇をとって訪れるという設定。
ここであまり表面だっていない事のひとつ、主婦のブリジットはストレスの為に胸の表面に湿疹の出来る病にかかっており、それの治療のための医者探しがこのドラマの中枢となっているのです。
パリで出会ったスエーデンの医者の助言で死海に浸ると良くなるそうです。
ヨーロッパの大きさを感じる現代人間模様映画でした。
アートやエスプリのパリではなく、死海で休暇をとるということ。これもちょっとわかる気がします。僕も昔、死海を訪れたことがあり、世の果てのようなところにある湖て浮かんでいると、人生の煩雑な事柄などどうでもよくなる気がしました。
はんきちさん死海もいらっしゃったのですねー!そのような気持になるような海のようで温泉のお好きな貴殿には無の境地でいらっしゃいましたでしょうね・・・。(^-^)