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『イヴォンヌの香り』モディアノ作品を更に読みながら

 先日来、図書館より、もう待たなくても数冊外国書棚にパトリック・モディアノが並んでおり、この『イヴォンヌの香り』と『失われた時のカフェで』を借り、すっきりしない読書になってしまう今日この頃なのです。

言うなれば、とらえどころのないモヤモヤ感。それでも惹かれてしまうのは何か・・・ずーっと考えてしまっている。

単純に考えてまず世界一有名なノーベル賞という賞を去年獲得していること。唯単にパリジェンヌの世界をだらだらと記しているのではない。

どの本を読んでもパリの街の地名がものすごく多い。それもフィクションではなく本当の地名なのだ。方角も。

そして映画俳優たちが実にリアルに登場し、モディアノの父母の世界が第一次第二次世界大戦最中の情景と共に間接的といいましょうか記憶を辿るような表現があちらこちらに再現されている。しかし彼は1945年生まれ。

最後には深い喪失感が時間のズレと共に襲ってくる。

もう4・5冊読んだのですが、皆どれもパリの街に訪れるロマンから徐々に徐々に何かに引きずられて凄いアクションがありその表現力に圧倒され、まるで映画を観ているような錯覚に追いやられるのです。

そして私、気がつきました。人間は永遠の繰り返しということに。

いえ、私が気付いたのではないのでした。既に解説者、翻訳者たちが記しています。‘永遠のくりかえし’

前にも記しましたが大人になれない、とはそう言うことなのでは・・・。

絵画で言ったらクリムト?いえ、違うかなー。
Commented by k_hankichi at 2015-04-16 17:51
永遠の繰り返し。まさにそうですね。

たいせつな友人たちとも、十年一日の如くに、芸術であるとか音楽であるとか、生き方などなどについて語り合います。だいたいが同じような主題で同じように落ち着きます。繰り返しです。
Commented by およう at 2015-04-16 21:22 x
はんきちさま そうですね、‘永遠のくりかえし’とは身近なところでの会話もまさにそうですし、草花でも鳥たちも大昔から毎年楽しませてくれます。モディアノの表現はそのようなことを言っているのではありませんが哲学の世界で内に秘めた表現の中から私たちに訴えようとしているのでしょうか・・・。
by madamegrimm | 2015-04-15 22:21 | 人間 | Comments(2)

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