内田樹氏の『もういちど村上春樹にご用心』(文春文庫)を読みながら思ったこと

 もう三日寝るとお正月・・・♪

ヨーロッパに居る時はお正月の気分は年が明ければ淡々とした新年のみでカレンダーが替わるだけの日常変化はそれほどないのですが日本の大晦日から新年の行事は事細かなことだらけです。

お料理や新年の誓いから人々は神社仏閣へ御参りし、家々の習わしの中で家族繁栄のための風習が連ねていきます。

しかし、戦後の小津映画の世界を通って10年過ぎた頃から新しい波が押し寄せてきてとうとう安保反対と怒涛の学生運動が始まり内田樹氏や村上春樹氏らのトラウマ的思想に突入していくのです。

トラウマとは記憶が「書き換えを拒否する」病態のこと、精神は機能不全になる・・・。

彼らの苦悩はこちらの本にも記していらっしゃり『地獄の釜の蓋』が開いた感じで「強い物語の力」を欲し『風の歌を聴け』から数々の村上作品から内田氏は共鳴し共通性を探っていくのでした。

そして彼らの共通性のなかのひとつ、内田氏は武道の経験から、ある種のコミュニケーション・マナーをていねいに践むならば死者と交感することは可能ともいっています。

もうひとつは「父の不在」によってなにをすべきかのマップを持っていない。

父のいない世界・・・、誰も自分の存在を基礎づけてくれない、誰も身元保証人になってくれない世界でなお自分の存在を意味あるものにするために何ができるかという本質的な問いに取り憑かれている、それが村上文学が世界性を獲得できた最大の理由だと僕は思います。と記していられます。

モディアノとの違いは父の存在(母のいない世界・・・)・・・

内田氏の村上春樹氏に対する情熱は充分に伝わってくる楽しい読書でした。

さあ、まだまだ暮の用事はたくさんあります。無事に新年が迎えられますように・・・。
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Commented by k_hankichi at 2014-12-29 23:10
『地獄の釜の蓋』が開いた感じで「強い物語の力」を欲し、というような内在的な衝動なのですね。内田さんの本、読んでみます。
Commented by およう at 2014-12-29 23:55 x
はんきちさま この方の文はかなり軽妙さで読み進めていけるのですが村上春樹が『女のいない男たち』を出版しているように内田氏も女性に対してかなりの恨みつらみがトラウマでおありになるのではないか・・・な~んて。
軽く読み通してください(^◇^)
Commented by maru33340 at 2014-12-30 08:50
父の不在は内田さんの基本理論ですね。
僕も面白く読みました。
Commented by およう at 2014-12-30 12:21 x
maruさま やはりお読みになっていらした(^_^)/
by madamegrimm | 2014-12-29 21:59 | 人間 | Comments(4)

私の日常(madame grimm)


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