先日来『無垢の領域』(桜木紫乃著)に心奪われるが・・

 タイトルに記した本を読了。

作者の舞台、北海道を背景にした小宇宙の人間ドラマ。

新潮社単行本の帯に‘それでも、あなたは幸せですか?’ 革命児と称される図書館長、信輝。天賦の才能を前に絶望する書道家、秋津。秋津の妻、伶子。半身の不自由な秋津の母。
悪意も邪気も欲もない「子どものような」純香が釧路にやってきた瞬間から、大人たちが心の奥に隠し続けている「嫉妬」の芽が、顔をのぞかせた。
 押さえ込もうとしても、その芽は伸びる。

この帯の文により登場人物がほぼ把握できますが、本の題名でもあります『無垢の領域』とは・・・。

主人公を設定出来ないくらい、それぞれの人間の様が綾なす描写はやはり桜木さんの独自の世界が醒めた表現力で迫ってくるのでした。

黄昏人間として(私のことですが)、ここに登場する初の民営化された図書館長である林原信輝の落ち着いた行動の中にあるさりげない大人の感情や、その妹である無垢な純香への思い。

書道家の秋津龍生とその妻、伶子は高校の養護教諭として夫を経済的に支えている。そこには不自由な体の夫の母とも同居。

その秋津が書道教室を開いているところに館長の妹、純香が助手として手伝いに行くようになるのです。

純香は持って生まれた才能が書道なのでした。純粋すぎて社会で生きづらい性格のため何かと事が起きていくのですが、黄昏人間としてこの本に出会い、人との関わりの描写力に流石と感じながら、過ぎ去った人間模様のようにも捉えられる何かやるせない物語に感じるのでありました。

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Commented by k_hankichi at 2014-12-10 22:18
これは、読まねばならぬ世界ですよね。
Commented by madamegrimm at 2014-12-10 23:01
はんきちさま どちらの世界にもある男女の小説ではありますが、釧路を中心にした北海道の風景が迫ってくる厳しい冬景色の様です。お薦めして良いものかどうか…(^.^)
by madamegrimm | 2014-12-10 14:05 | 人間 | Comments(2)

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