モディアノ3冊目を読み終わる

 今年のノーベル文学賞受賞のパトリック・モディアノ氏の作品3冊目を読了。

『暗いブティック通り』平岡篤頼訳(白水社)版です。

前回、『八月の日曜日』と『家族手帳』を読み、いま一つ腑に落ちなくて(何が腑に落ちないのか・・・自分でも定かではないのですが)どうしてももう一冊読みたくなりました。

正解でした。これもなにが正解なのか・・・、主観です。すべて主観です。

凄い作品です。一人の男が記憶喪失的な状態から展開していく過去への時を求めて『私』というあやふやな人間の存在を想像を膨らまし父親とだぶらせながら戦時中のパリの街や、人々のコスモポリタン・国際人と申しましょうかその世界をにおわせながら私は何者であるのかと問うているような、時々鮮明によみがえる有様を交えながら人生において人間の過去の重要性を個の発想から展開してゆき、意外と根無し草的虚無感が漂ってくるストーリーなのでした。

パリの街角がいたる所に散りばめられ、広場や通り名もまるでパリの街を昔黙々と歩き回った過去が私の記憶をよみがえらせられ、スイスの国境近くのフランス領での友人たちとの雪山での情景などでは記憶喪失になる場面でありながらファンタスティックな美が写し出されて思わずため息が出るのでした。

読後の幸せを感じます。

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この題名はもうひとつの『私』のアドレスはローマの暗いブティック通り(ポッテーゲ・オスクーレ通り)2番地のことです。まだミステリアスなのです。

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Commented by k_hankichi at 2014-11-01 11:52
おようさん、とても読みたくなりました。記憶と夢と、うつつのなかを彷徨う感じなのでしょうか。。。
Commented by およう at 2014-11-01 18:00 x
はんきちさま 夢を見ているのか・・・パリの街をさまよう様は探偵のようでもあり、記憶をなくした男の追憶でもあり、解消されない不思議なと言っても良い作品です^^
Commented by k_hankichi at 2014-11-05 07:41
おようさん、読み終えました。空想が記憶に繋がってゆくような感覚がたまらなく良いです。
Commented by およう at 2014-11-05 08:59 x
はんきちさま 嬉しいです^^ この作家の本を読んでいますと、自分は何者であるのかを問いたくなるような作品ですね。
Commented by およう at 2014-11-05 11:05 x
はんきちさま 追伸:空想が記憶につながる・・・、やはり凄いイマジネーション作家<^!^>
by madamegrimm | 2014-10-31 16:48 | フランス事情 | Comments(5)

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