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アポリネールの詩から

 気分を一新しましょう。

ギヨーム・アポリネール詩 『ミラボー橋』

ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ われらの恋が流れる
   わたしは思い出す 悩みのあとには楽しみが来ると

日も暮れよ 鐘も鳴れ  月日は流れ わたしは残る

手と手をつなぎ 顔と顔を向け合おう こうしていると
   二人の腕の橋の下を 疲れたまなざしの無窮の時が流れる

日も暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る

流れる水のように恋もまた死んでゆく 恋もまた死んでゆく
   命ばかりが長く 希望ばかりが大きい

日も暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る

日が去り 月がゆき  過ぎた時も 昔の恋も 二度とまた帰ってこない
   ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる

日は暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る

                         (堀口大學訳)

アポリネールが画家マリー・ローランサンと恋におち、ミラボー橋を渡っている姿が浮かんでまいります。

そのマリー・ローランサンと親しかった日本の鶯・堀口大學・・・。

デリーシャスな人生を送った詩人《堀口大學》氏。

今朝のZeitungに竹久夢二の絵〈ハワイの宵待草〉が載っていました。

大學先生も渡航途中のハワイで出会ったおきんちゃんとの淡い恋心描写がふっとよみがえってくるのでした。

『日本の鶯』堀口大學聞書き(関 容子著)岩波書店発行 参考

マリー・ローランサンの詩 
『日本の鶯』

彼は御飯を食べる
彼は歌を歌う
彼は鳥です
彼は勝手な気まぐれから
わざとさびしい歌を歌う


そして後、素敵な訳で・・・

この鶯 餌はお米です
歌好きは生まれつきです
でもやはり小鳥です
わがままな気紛れから
わざとさびしく歌います
    マリー・ローランサン作

ご自分でご自分のことを訳しています。大學翁先生・・・。
Commented at 2014-04-04 19:06
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by およう at 2014-04-04 21:28 x
鍵コメさま 体調ご心配戴き恐縮です。素敵なコメントを有り難うございました。いつも深いYourブログ、素晴らしいです。
アポリネールを暗誦なさる文学少女、きっと堀口大學先生が生きていらっしゃいましたらお喜びになりましたでしょうね^^
Commented by k_hankichi at 2014-04-05 10:20
訳詩をすることで、そのひとになりかわり、心になりかわり、呼応し、打ち震え、ですね。アポリネールとは、ローランサンに対して同じ思いでいることが、その共鳴を倍加させていますね。このアポリネールの詩は、再び帰ってこないということを呟きながらも、永遠の愛を感じさせるものだと思います。
Commented by およう at 2014-04-05 12:13 x
はんきちさま そうですね。生きるとはまさに翻訳すること^^
フランス語のアポリネールを私も口ずさみたくなりました(^・^)
by madamegrimm | 2014-04-04 11:27 | 人間 | Comments(4)

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