アポリネールの詩から
2014年 04月 04日
ギヨーム・アポリネール詩 『ミラボー橋』
ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ われらの恋が流れる
わたしは思い出す 悩みのあとには楽しみが来ると
日も暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る
手と手をつなぎ 顔と顔を向け合おう こうしていると
二人の腕の橋の下を 疲れたまなざしの無窮の時が流れる
日も暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る
流れる水のように恋もまた死んでゆく 恋もまた死んでゆく
命ばかりが長く 希望ばかりが大きい
日も暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る
日が去り 月がゆき 過ぎた時も 昔の恋も 二度とまた帰ってこない
ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる
日は暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る
(堀口大學訳)
アポリネールが画家マリー・ローランサンと恋におち、ミラボー橋を渡っている姿が浮かんでまいります。
そのマリー・ローランサンと親しかった日本の鶯・堀口大學・・・。
デリーシャスな人生を送った詩人《堀口大學》氏。
今朝のZeitungに竹久夢二の絵〈ハワイの宵待草〉が載っていました。
大學先生も渡航途中のハワイで出会ったおきんちゃんとの淡い恋心描写がふっとよみがえってくるのでした。
『日本の鶯』堀口大學聞書き(関 容子著)岩波書店発行 参考
マリー・ローランサンの詩
『日本の鶯』
彼は御飯を食べる
彼は歌を歌う
彼は鳥です
彼は勝手な気まぐれから
わざとさびしい歌を歌う
そして後、素敵な訳で・・・
この鶯 餌はお米です
歌好きは生まれつきです
でもやはり小鳥です
わがままな気紛れから
わざとさびしく歌います マリー・ローランサン作
ご自分でご自分のことを訳しています。大學翁先生・・・。
アポリネールを暗誦なさる文学少女、きっと堀口大學先生が生きていらっしゃいましたらお喜びになりましたでしょうね^^
フランス語のアポリネールを私も口ずさみたくなりました(^・^)