『翻訳教育 野崎 歓』 (河出書房新社)を読む
2014年 03月 12日
天災と人災のこの大震災は人々の心に深くしこりを残しています。
いつもながらの人間の謙虚さが問われているのです。
沢山の知識を持った方々が居る一方、知恵を持って対処できる方々が少ないのではないか、そんなことを想う昨今です。
ここ数日、体調があまり芳しくなく何か気晴らししたいと思っておりましたら、ブログ友人の記事より『翻訳教育』という本を知り、読みはじめました。
翻訳という仕事は、実のところ、それほど重きをおかず外国本を今まで読んできましたが、この本によって翻訳者の並々ならぬご努力とセンスが多々重要であることにあらためて気づかされました。
日本のパイオニアでいられる森鴎外や二葉亭四迷等の素敵なエピソードも記され、鷗外のゲーテ『ファウスト』の訳なども表現力の素晴らしさを語っています。
日本語で「ゲーテ」とカタカナでは記されますが、鷗外は「ギョオテ」と読んでいるなど、Ichも思い当たることが浮かんできました。
はじめてドイツ語の勉強を始めたとき、テキストに[Goethe]と記されています。「ゴエテ」?何これ?
ゲーテと知ったときの驚き!!今でも忘れません。鷗外先生は「ギョオテ」です。
恐れ多い大家に向かっての親しみを感じる野崎歓氏の文章です。
まさに生きるとは翻訳することです。
楽しみました。
水に浮くラディッシュ
「赤ちゃん教育」はまだ読んでおりませんが、今を生きる野崎氏という感じの文章で楽しみました。