「夏の朝の成層圏」(池澤夏樹著)の感想をちょっと
2013年 08月 22日
朝刊の連載小説を続けていた池澤夏樹氏、興味を引いた作家にはいつもデビュー作が読みたくなります。
芥川賞作家でもいられるようですが多分ヨーロッパ在住中の頃の方のよう・・・。
日本の出版界のスピードにはついて行けません。読むチャンスが来たようです。
ジュンク堂で何気なくみつけ、暑い夏の成層圏を作者と一緒に考えながら読み始めたのでした。
読書とは読み進むうちにその物語に引き込まれていく時が最高の幸せです。
人間界から遠ざかって行く過程から、海を知った作者の想像力で漂着した南太平洋無人島でのひとり生きる自然との闘い。
そして次なる島へ泳ぎ着きそこで出会う国際的映画俳優との現代と未開の写像物語なのです。
漂着した最初の島、アサ島と名付け、ヒル島を越えマイロンという俳優が建てた家の島をユウ島と名付ける。
カメラからの被写体として見ているような冷めたロビンソン漂流記現代版なのです。引き付けられました。
彼の大きさは、親の遺伝子脱却は無理のようです・・・。流石。