「深い河」を読む

 昔 遠藤周作の講演を聴いたことがあります。

確か日本家屋の土間の重要性のお話でしたか、大変ユニークな内容で心に残った記憶があります。

そんな彼の最後の作品「深い河」を新年早々読みましたのは・・・。

 数日前、図書館で新年号の雑誌を捲っていましたら、「死者と共に在るわたしたち」という題で宗教学者の山折哲雄氏と若松英輔氏の対談が目に留まり、その会話のなかに遠藤周作の「深い河」につながる再臨思想と記してありましたか・・、興味がふっと湧きました。

あ、ここは図書館、あったら借りて行こう、というワケで、新年早々から、死を考える本にのめりこんだのでした。

この作品は作者が病の中、あのおとぼけピエロ先生が真剣になって想いを込めた作のようです。

彼はクリスチャンでもあり、この作品の中でも大津と名のらせた、学生から神父になろうとしていく青年によって多くの宗教の共通性を解こうと苦難していく様が書かれています。

死から永遠の生命の中に入れるという目的が、宗教性という言葉につながっていくような、凄まじい人間のリアルな面との対比で一気に読んでしまいました。

ひとりひとりの登場人物が研ぎ澄ました精神でインド旅行ツアーに参加し、ガンジス川(河)でのそれぞれの思いが終末に展開していきますが、ちょっと若者カップル(カメラマンの想定)の行動描写が気になってしまっている読後感なのです・・・。

それにいたしましても宗教性とは難しい。

 日本の歴史の中で、近代では内村鑑三が再臨思想というお子を亡くしてからの考え方から遠藤周作に受け継がれていっているよう、キリスト教ひとつ取ってもなかなか人間を究めることは出来ません。

 無意識の中に自分を生かしてくれるものを大切にしていきましょう・・・。

                               ディープ・リバー(黒人霊歌)からの表題とのこと
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Commented by gomitoban at 2013-01-09 15:42
「ぼくたちが聖書について知りたかったこと」
池澤夏樹・小学館文庫
マダムン、よろしいかも。
Commented by madamegrimm at 2013-01-10 10:52
池澤夏樹さんといえば、今とっているZeitungの朝刊で「アトミックボックス」という連載小説、おもしろく読んでいます・・・。
by madamegrimm | 2013-01-09 11:06 | 人間 | Comments(2)

私の日常(madame grimm)


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