第86話 グリム童話 日本語版

 狐とがちょう

 あるとき、狐が野原にやってくると、みごとな、よく肥えたがちょうが群れをなしていました。
狐はほくそ笑んで言いました。「おやおや、うまいところへやってきたものだ。なんとみんなおそろいだ。これじゃあ、次から次とぱくりと喰えらあ。」

がちょうたちは驚いて、ガアガア鳴いて跳び上がりました。

そして、命を助けてくれ、とそれは悲しそうにたのみました。

けれども狐は「情けなんか、かけてやるもんか。みんな死んでもらうよ」と言いました。

しまいに一匹のがちょうが勇気を出していいました。

「この若いみそらで、元気なうちにどうしても命を失うってんなら、ひとつだけたのみがある。どうかお祈りをさせておくれ。罪深いまま死ぬのはごめんだからね。お祈りが終わったら、一番肥えたやつを見つけられるように、一列に並んでやるよ」

「ああ、いいさ」、狐がいいました、
「そういう殊勝な願いならお安いご用さ。さあ、お祈りをしな。それくらい待ってやるさ」。

そこで一番目のがちょうががそれは長いお祈りを始めました。ガア!ガア!

そして一番目のがちょうがやめようとしなかったので、二番目のがちょうは順番を待ちきれずに、、同じようにガア!ガア!始めました。

(全部のがちょうのお祈りが終わったら、このお話の続きを話すことになっているのですが、なにせみんな今だに休みなくお祈りを続けています。)

b0105259_23473478.jpg



                          初版 吉原両氏訳参照 
[PR]
by madamegrimm | 2012-11-09 23:22 | グリム童話ってすごい | Comments(0)

私の日常(madame grimm)


by madameoyou
画像一覧