具体的な思い出があるわけではないし、思い出せない過去の音楽会等・・・記憶喪失気味の私は微かな記憶の中に20代の頃か、ジャン・ピエール・ランパルとオーレル・ニコレ、そしてマルセル・モイーズとフルート奏者の極みの御三方は一世を風靡しておりました。

そのお一人オーレル・ニコレ氏が亡くなったことをN氏ブログより知り、90歳の大往生ではいらっしゃいますが、その繊細な音色が忙しかった20代30代の頃の私にとって、フルートという楽器の美に癒されたものです。

懐かしいお名前に触れ、小さな驚きと時代の流れを感じてしまっている自分に今が重なっています。

彼等のお陰でこの国でも素晴らしい才能を発揮なさっていらっしゃる奏者が沢山いられます。

今とっている地方紙Zeitungには記事が載っていない・・・。マスメディアはあまり報道してくれませんが心からご冥福を祈り、美しい演奏を有り難うと申し上げたい。

b0105259_10374261.jpg

[PR]
by madamegrimm | 2016-01-31 10:33 | クラシックはお好き? | Comments(2)

岩波ホールの映画を観る

 前から気になっていました映画『ヴィオレット』をおもいきって観に行く。

家に居ると寒さ厳しく暖房に頼ってしまうので、運動も兼ねて寒くても外出、神保町の岩波ホールまで・・・。

2013年のフランス映画でーある作家の肖像ーとも記してあります。

時代はボーヴォワールとサルトルやカミュ、アンドレ・ジッドたちの頃の女性作家実在の人物ヴィオレット・ルデュック(1907年~1972年)という方のお話です。

複雑に人間関係が絡んでいくフランス人ならではのストーリー。

ボーヴォワールと出会い、その才能を認められ助けられて小説家になっていくのですが、私生児として生まれたヴィオレットは自分の人生の全てを”書くこと”に注ぎこんでいくのです。

前にボーヴォワールとサルトルの映画を観ましたが今回のボーヴォワールは美しい理知的な女性が演じていて素敵でした。

香水のゲラン社長も出てきたり、その当時の実存主義が想い描かれているのでした。

b0105259_1111473.jpg

[PR]
by madamegrimm | 2016-01-30 01:11 | 人間 | Comments(4)

 お昼のワイドショー、最後の方に「おしゃべりクッキング」があります。

時々見ているとひとりにやにやと笑ってしまう絶妙な話術の彼女、そうです、上沼恵美子さんの料理番組なのに板前さんとその週のゲストを中心に繰り広げられる簡単料理、けれどもプロの腕前のコックさんたちをネタにちょちょっとの会話を投げかける彼女、さすがだなーと感心するのです。

今日などは牛乳入りの茶わん蒸しでしたが、出来上がって「さあ、出来上がりました。それでは戴きましょう」と掛け声をかけ、美味しさをゲストの人と話しているとき、ゲストの方が「牛乳は日本で何時ごろから食べられたようになったのですか?」と聞いています。コックさん「飛鳥時代から頂いていますね」と答えましたら、上沼女史「先生、歴史に詳しいんですね」板さん苦笑い、上沼さん「私、歴史に詳しい人、きらいなんです・・・」(笑)

この微妙な庶民性、きっと苦労が多かった彼女の言葉は毎回皮肉に聞こえながらも笑いに変えてしまう話術には恐れ入ります。

そんな上方彼女の料理番組、昨日戴きたいなーと思うスパゲッティーなのですが、実に脂肪分過多の感じで躊躇してしまっているのです。

こちらに記しながら美味しく戴いて・・・と想いましょう。

食材は:カブと葉1/2個、生クリーム80ml、バルメサンチーズ40g、ブルーチーズ20g、蜂蜜小匙1、スパゲッティと塩ゆで汁の1%。

作り方は:スパゲッティを茹でている間に、フライパンに生クリーム、バルメサンチーズ、ブルーチーズ、蜂蜜を入れ弱火を点けます。
カブは薄切り、葉も一センチ幅に切って置きます。

スパゲッティが茹で上がる1分前にカブと葉も入れサッと火を通して、フライパンに入れた溶けたクリームの方に水気を切ったスパゲッティとカブと葉を移して混ぜて出来上がり!

簡単感嘆・・・あー、戴きたい! 私、チーズ料理大好きなんです。

フランスの地方料理で最後によりどりチーズのデザートがありますが思い出いっぱい蘇えってきました。

b0105259_19182514.jpg


作ってみました。

b0105259_11205439.jpg

ブルーチーズはゴルゴンゾラ、バルメサンチーズは塊を求めてすりおろして使う。美味!

残ったゴルゴンゾラ、蜂蜜つけて食す。これまた美味!
[PR]
by madamegrimm | 2016-01-28 15:35 | 「新」文章で綴る料理 | Comments(3)

バルトークからの連想

 昨夜、先日亡くなったブーレーズの指揮バルトーク作曲『中国の不思議な役人』という題名がついている放映を聴く。

ブーレーズという音楽家の卓越した指揮ぶりに圧倒されましたが、このバルトークと云う作曲家の曲の摩訶不思議音楽を考えながら聴いていると先日観てきました恩地孝四郎の抽象版画やパウル・クレーの作品、カンディンスキーの風景などが浮かんできて同時代の絵画と重なって行くのです。

バレー音楽でもあり、ストラヴィンスキーの『春の祭典』もそのひとつでバレリーナの姿を思い浮かべれば目と耳の交差で情景が把握できる・・・。

音だけを聴いているとタイトルを無視した情景が浮かび、人間の複雑怪奇な行動と大河の流れの中で小さな生き物たちがあっちへ行ったり、こっちへ来たり、忙しく流されていくのです。

現代音楽とは抽象音楽であり、如何様にでも解釈しながら、何故か音楽専門家に愛されるバルトークさまを聴いたのでした。

楽譜は理路整然としているのでしょうね・・・。

それにいたしましても寒い!です。

b0105259_15184818.jpg

[PR]
by madamegrimm | 2016-01-25 15:16 | クラシックはお好き? | Comments(5)

 地下鉄東西線「竹橋」に降り立ちました。そこは毎日新聞社ビル

b0105259_11141921.jpg


真ん前交差点を渡ると竹橋です

b0105259_11154064.jpg


右手に見えてきました、東京国立近代美術館

b0105259_1117275.jpg


そうです。N氏が今ブログUpしていらっしゃる『恩地孝四郎展』です。(N氏ブログ名:私たちは20世紀に生まれた)

回顧展でもあり、作家一生の作品が見事に展示されていました。

版画に興味を持たれている方は必見です。

1891年(明治24年)生まれ、大正3年頃から凄まじい生を感じさせる作品群に圧倒されながら大正デモクタシーの時代には見事なまでの詩人、音楽家との当時の作品は優雅なものです。

彼独自の一人の人間が心を素直に出しながら作品に繋げて行く姿は才能溢れる何ものでもありません。

色刷り木版画の技術は多感で1927年ころの「美人四季」4点は春夏秋冬がフランス語で彫られ絵は4女性それぞれが思い入れ強く楽しい作品になっています。

「帯」という題の女性3点など色刷り木版の工夫が素敵で見惚れました。

戦後は抽象版画が多く私の眼がいいなーと思う作品はボストン美術館所蔵とか海外で買い取られているのが多く、何かなるほどーとうなっている自分・・・。

最後の作品「自分の死貌」が何故か強く心に入ってしまいました。‘母の胎内へと回帰していくように’と記されており生涯の戦い疲れた後の安らぎが訪れるようでした。(1955年逝去)

帰路、常設展も観てしまったので疲れ果て新聞社ビルの食堂でぼーっとする。

b0105259_1223858.jpg

                1954年作品『自分の死貌』(実物はもっと鮮明です)
[PR]
by madamegrimm | 2016-01-22 12:00 | 人間 | Comments(4)

 先日、私にとって珍しい作家二人の文庫本を求めたもう一冊が橋本治の『リア家の人々』です。

何?リア家?・・・この橋本治という方のことは自分の中には取り入れられない潜在意識があって、ずーっと避けてきました。

山間の友人の一人が「わたし、橋本治が好き!」と言ったことがあり、少々、彼女を異質な目で見てしまったこともあります。

そんな先入観の橋本治氏、この本を完読して新たな印象を受けました。

彼の年齢は私と少しずれますがほぼ同時代、いえ、かなり年下でした。

リア王、あ、違いました、「リア家の人々」と題したこちらの作品は戦前帝大出の主人公文三の家族との晩年までの話の中に近代史と重ねて昭和の姿を映しだしていく小説です。

非常に真面目で正直びっくりです。

彼が世に出始めた頃、確かイラストレーターではなかったか・・・横尾忠則氏等との仲間でもあったような・・・そしていろいろな分野と関係していきますが「小林秀雄の恵み」「巡礼」などの小説を書き出し、源氏物語も現代訳で出版したりで幅広い世界の才能がある方なのでした。

小林秀雄の「美しい花がある。花の美しさという様なものはない」・・解釈が難しくその難解な小林秀雄を解き明かそうと橋本氏は突き進んでいきます。

シェイクスピアの『リア王』の孤独と重ねられていく『リア家の人々』の内容は私の育ってきた家庭と比べながら時代背景がリアルに思い出され女心が少し違うなーと考えながら読み進んでいったのでした。

いずれにいたしましても橋本治氏と言う方はマルチ人間、そして勉強家、頭が良過ぎる人でした。

リア王の言葉で各章の冒頭を記してみます。

★第一章 柿の木・・・いや、いや、いや、いや!さ、牢獄へ行こう、二人っきりで、籠の小鳥のように、歌って暮らそう。おまえがわしに祝福を求めれば、わしはひざまずいておまえに許しを乞う、そのようにして生きていこう。(小田島雄志訳)

★第二章 娘達・・・いちばん元気でしっかりしていたときでさえ無分別だったのに、これからさきどうなると思う?長年の凝り固まった性癖のうえに、ぼけてかんしゃくを起こすお年でしょう、どんなわがままに手を焼かされるかわかったものじゃないわ。(小田島雄志訳)

★第三章 荒野・・・ーー王はどこにおられる?
 --荒れ狂う大自然と戦っておいでだ。風にむかって、大地を海のなかまで吹き飛ばせ、さもなければ逆巻く波を陸地の上まで吹き上げろ、そうして天地を引っくり返すのだ、と叫んでは、白髪をかきむしっておられる。(
小田島雄志訳)

★第四章 嵐・・・わたくしは、不仕合せなことには、心(むね)にある事を口に出すことが出来ません。わたくしは義務相當にあなたを愛しまする。それより多くもなく、少なくもなく。(坪内逍遥訳)

この四章からなっています。橋本治氏とはそういう方です。
[PR]
by madamegrimm | 2016-01-20 11:39 | 人間 | Comments(2)

私的香水の話

 この都内地域は初雪、寒さがこたえます。

山間の家の方はかなりの積雪のよう、小さな村から合併して行政は大きく様変わりしましたが、その地域の方々の思い出が甦ってくることが多くなりました。

ブログ友人が香水事情をアップしていらっしゃいましたが、私もそれほど強い関心はないのですが姉妹のなかでは一番香水に関しては興味がある方でした。

プルコワ?パスク・・・又もや登場ですが亡き母の趣味で自分の娘時代から影響を受け、お化粧も香水も知識を得ていったのです。

そして昨年102歳で送った母が残していった香水類、私一人貰い受けたのです。

b0105259_14573861.jpg



今朝いろいろ箱から出して香りを嗅いでみているうちに部屋中が香水の香りだらけになり、今もこうしてパソコンの前で手に振りかけたミックス香りが漂っていて流石香水の都パリがふらふらとおそいかかってくるのでした。

中学生の時でしたでしょうか、まだ戦後復興の最中、父が世界一周を仕事でしたが旅してきて娘心に火が付きました。

海外の香水はその頃からでしょうか、母と一緒に楽しみ始めたのは・・・。

自分が興味ひかれた香りはゲランのミツコ、大人になって愛用するようになり、シャネル5番や19番も出回り、ディオール、ニナリッチ、イヴサンローラン等々・・・美しい香水瓶と共に夢を与えてくれていました。母はジャン・パトウのジョイ・・・これは私には強過ぎ、つけ方にもよるのでしょうが香水は多すぎると品が無くなってしまいます。

ある私的な事・・・一番頻繁につけていた時期、新築した山間の地域にフランスから戻ってきたころです。

地域の用事を引き受けることが多くなり、社会教育委員、国勢調査員、統計調査員等々PTAの役員なども受けてしまい、地域密着の日々がありました。

昔裕福な材木関係の旧家が多い地域、仕事で一軒一軒訪ねていた頃、ある旧家でどなたも居られず帰ろうと思っていた処に奥からお爺さんが出ていらっしゃいました。私を見るなりにこにことなさって縁側に座り統計の話をしていましたら、「おお、いい匂いだなー、昔を思い出す・・・。」「なぜですか?」と伺うと、「材木を運んで街に出るとお姉さんたちがその匂いを出してくれていたものじゃ」・・・

あー、ゲランのミツコ、色町の方々がつけていたのですね・・・。

b0105259_1454238.jpg

                         昨日の花屋さん
[PR]
by madamegrimm | 2016-01-18 14:58 | フランス事情 | Comments(6)

 15日の早朝、又バス事故が起こり沢山の若者が犠牲になりました。

夜中の運行、スキー客を乗せて東京関越道から軽井沢に向かって走っているバス、高速を使えば4時間もかからない距離です。時間調整の為か、バス会社側の料金倹約の為か、あの細い碓氷峠を走り恐怖におとしめた大人たち。

大学入試試験の時で大学生は休みで楽しい青春が、あっという間に地獄の底に・・・。

用意周到に企画を進められない最近の杜撰な、金銭のことだけの吹聴にいら立ちます。

社会全体の問題でもあります。

現代人の人間関係の難しさは計り知れませんが生死の事をもっと真剣に考えて情をもった行動に向かわなければいけないとつくづく思う昨今です。

亡くなられた方々のご冥福を祈ります。
[PR]
by madamegrimm | 2016-01-17 00:27 | 未分類 | Comments(2)

ある本屋さんで

 最近一日置きに8000~9000歩歩いている。それなのに途中で昼食を軽い定食屋さんで採ってしまう。

ちっともダイエットになっていません。何十年も体重は2・3㎏の差で変化なし・・・もう少しスリムになりたいのですが体重が減ってくると病気が潜み始めるようなのでまー、いいでしょ・・なんて自己満足なのでした。

あちこちの本屋さんを歩いていると、それぞれの店構えが違う。新刊でも取り寄せていない店もある。歩くことにまだ億劫ではないので乗り物に乗っても歩く距離でも本屋をさ迷い歩くのです。

そして、こちらは店長お薦めコーナーでしょうか、いえ、東大教授、歴史学者です、この方。

b0105259_15142425.jpg


夏目漱石から柳宗悦などオーソドックスな書物が展示されています。

その中から文庫二冊を求める。

その一冊、私はあまり読んでいなかったお一人と申すか、おしどり夫妻の奥方の方、津村節子さんの『紅梅』。

ご主人の作家・吉村昭氏の壮絶な癌との戦いと死を語った内容で現代の医学の現場とそこでの人間関係をリアルに表現していらっしゃる奥方の筆に圧倒されました。

恋愛小説が好きな私は「紅梅」という題につられこのような本に出会うこととは、しっかり生と死を見つめて行く時期にきたのですね。

亡き母が教えてくれているのでしょう・・・。
[PR]
by madamegrimm | 2016-01-14 15:31 | 人間 | Comments(4)

三年前程の新聞記事から

 しばらくグリム童話の読み聞かせから離れておりますが、家の中で書類の片付けをしていましたら海外発言の記事で『グリム「残酷性」の真意』と題してドイツの大学教授(ドイツ文学)シュテフェン・マルトウスと言う方が記してくださっていて、その真意がつかめるのでここに掲載させていただきます。新聞記事を切り抜いておくとあらたな楽しみが・・・

 日本でも有名な「赤ずきん」「白雪姫」「ブレーメンの音楽隊」など、世界中の子供たちに愛されている「グリム童話」(子供と家庭のメルヘン集)は昨年、ドイツでの初版刊行から200周年を迎えた。永遠のベストセラーである一方、魔女を焼き殺す場面など「残酷」な描写が多いという批判も絶えない。過去にはナチス・ドイツの残虐性と結びつける意見もあった。こうした批判を今、どう考えればいいのか?
実は、残酷との批判は初版が刊行された19世紀当時からあった。もともとヤーコブ、ウイルヘルムのグリム兄弟は言語学者で、民話の数々は当初、学術目的で収集された。あくまでドイツ民衆文学を研究する材料であり、当初は幼い読者への配慮はなかった。結局、後にグリム兄弟は性的な描写などを削除し、メルヘン向けに表現も和らげたが、そもそも「童話」としては矛盾がある本なのだ。
グリム兄弟は、この童話をまるで「教訓」を説く道徳本のようにはしたくなかった。あくまで素朴な話の寄せ集めであり、矛盾だらけで構わないと思っていた。背景には当時の世相がある。グリム兄弟が生きた19世紀の欧州は、革命が続き、国家が近代化に突き進む一方、古来の伝承が失われゆく時代だった。
グリム兄弟は物語の収集にあたり、文献資料を丹念に調べ、時には情報源となる人物にも会いにいった。だが「取材拒否」にもあっている。どうしても話を聞きたかったドイツ中部マールブルクの老婦人からは取材を断られ、後に大いに悔しがっている。こうした努力の結晶が、グリム童話なのだ。
 文芸は批判に耐えることで、文化として強くなる。時には残酷との指摘を受けながら、200年間読み継がれてきたグリム童話はその典型だ。作家カフカ、米歌手ボブ・ディランに影響を与えたと言う人もいる。
 今も昔も変わらず大切なのは、親が読み聞かせるということだ。世の中は残酷な出来事に満ちあふれている。だがどれほどひどい話でも、いつの世も子供たちは家庭の声に後押しされ、不安を克服し、心強さを感じていく。そして、目の前の物語に向き合うことができるのだ。(2013・4・12掲載)
[PR]
by madamegrimm | 2016-01-12 10:29 | グリム童話ってすごい | Comments(2)