敗戦後の出版界などの事

 土曜日、何もない時はラジオを聞いたり本を読んだり、急に涼しくなった今日は本そしてラジオ、本で過ごしました。

久々に‘久米宏ラジオなんですけど’を聞いていると今を作った男性と現代風女性アナウンサー堀井さんとの微妙な駆け引きはいつもにやにやという表現がぴったりの会話で笑わせてくれます。

今日も「アンチ何とか」というテーマでしたが読んでいる本が面白く気もそぞろの聞き方になってしまうラジオでした。

その本はh氏ブログ友人より小林信彦とおっしゃる作家兼ジャーナリストの小説『四重奏カルテット』(幻戯書房2012年発行)です。

小林氏の本を捜しに神保町へとも思いましたが少々夏バテで近所の図書館でコンピューター検索していましたら何冊かあり、彼の作品は初読なのでどうせのことなら意味深の題名「四重奏」にしました。

四つの小説に分かれていて
1、「夙川事件ー谷崎潤一郎余聞ー」
2、「半巨人の肖像」
3、「隣の老人」
4、「男たちの輪」

この四小説からなるまさに四重奏なのです。

まず最初の話は実名で谷崎に関わる江戸川乱歩時代の出版界の人間関係が「怪人二十面相」シリーズの頃で自分の子どもの頃が微かに浮かんでくるのでした。

弐番目の話はそれに関連して架空名で氷川鬼道(江戸川乱歩)が晩年出版社のオーナーになり雑誌社の世界を今野という男(多分小林氏自身)に任せていくのです。

参番目の話はその出版社の中で隣の席に狩野道平(昔博文館で名を成した編集者)という小柄な粗末な服を着た老人が主人公です。

四番目の話はベートーヴェンの弦楽四重奏のごとくそれらの編集者たちのもの凄い絡みあう人間関係。

今私がこうして楽しんでいる読書の世界がこの国の出版界の凄まじさによって作られていることにあらためて認識させられたと言っても過言ではないくらい小林信彦氏等の時代が読みとれるのでした。

この方の子ども時代、疎開先地でいじめられた小説も読みたく涼しくなりましたので古本屋さんに探しに行きましょ。

久米さん、もう古希を過ぎられていますがまだまだ若いです。ウフ
by madamegrimm | 2015-08-29 19:35 | 人間 | Comments(2)

激変

 今年ほどころころ変わる天気に、地球は爆発だー!と岡本太郎の顔が浮かびます。

火山の爆発、倉庫あちこちの爆発、株の激動、天気の激変、あれほどの猛暑の日々から同じ月の真夏の今日は10月中旬なみの20度を切った気温の変化に驚きはかくせません。

株という人ごとの事ではありますが今朝のZeitungにチャプリンの言葉が出ていまして「・・・(沢山の)失業者がいるのに、どうして株など信じられるか」と言ったそうです。そして翌日ニューヨーク株式市場で株価が大暴落し世界を揺るがす大恐慌となっていったそうですが、昨今は中国株価のよう、資本主義の世界の市場はこれからどのようになっていくのか一人の人間として関係なくても見つめていくしかないではありませんか。

チャプリンの言葉ではありませんが世界中の失業者は本当に株など関係なく可哀そうな立場にいますが、社会の仕組みが、この国を見ているだけでもアンバランスに達してきていて人のこころが不安定極まりない現状、政治の成り行きが気になってしかたがありません。

空のように大きくものが見られる人間になって自然と共に暮らせる植物のように咲いていたい・・・。

b0105259_13242166.jpg
                                       コムラサキ

b0105259_132566.jpg

by madamegrimm | 2015-08-26 13:21 | 未分類 | Comments(2)

共に三度目の開花

 残暑が身体に響く今日この頃、台風15号と16号の影響で湿気の多いもわ~んとした空気が人間を覆う。

こんな時の草花は元気いっぱいのようです。

ドアを開けると三度目の真赤なハイビスカスが私を迎えてくれました。

b0105259_053024.jpg


いつもと同じように咲いているのですが数か月前からの一鉢なのに何てケナゲナなのでしょう。

そして朝顔も朝の光を浴びて笑っています。

b0105259_010023.jpg


三輪も・・・。小さなちいさな私の幸せ。
by madamegrimm | 2015-08-24 00:13 | 樹木草花 | Comments(2)

猛暑日に求めた本類から

 いたたまれまい猛暑の日々に冷房の効いた本屋さんで過ごしているとき求めた本類、今話題の『火花』(又吉直樹著)と『養老孟司の幸福論』(中公文庫)、『谷崎潤一郎と異国の言語』(野崎歓著・中公文庫)他・・・。

『火花』は今、話題の芥川賞受賞者、よしもと興業のお笑い芸人でもあり、ちょっと敬遠していたのですがブログ友人m氏も又吉さんを一目おいていられていつかは・・・と思っているところで今回芥川賞をとられ書店に新刊単行本が山積みされているのを見てしまうと単行本としてはそれほど値も高くなく手に持ってしまいました。

確かに面白い、あっというまに読破。芸人の世界がこの本によって見直されるでしょう。実に落ち着いた文章です。

養老先生のはお姿そのもの・・・。

もう一冊、野崎歓先生、先生呼ばわりはあまり好きではないので野崎歓氏と云わせてください。

こちらの『谷崎潤一郎と異国の言語』が文庫本になって新刊書コーナーに置いてあるではありませんか。

前に『翻訳教育』という著書を読んで野崎歓氏の文章に魅力を感じ、いつも楽しげに難しい作家たちを表現していかれる力に凄いなーと思っていましたので、谷崎潤一郎の世界は研究者が沢山いられるように奥が深すぎて私は過去に数冊しか読んでおりませんが、読んでいなくても野崎歓氏の谷崎文学への捉え方が実に彼らしい文章で迫ってくるのでした。

文庫本の良いところはその作者の関係者が終わりに解説をしているところですが、こちらの文庫本も仏文学者の野崎氏の友人でもいられる中条省平とおっしゃる方が記していらっしゃいますが、この本の特徴を写し出しているのでした。

あらたな文学者谷崎潤一郎、ふっと思ったことが絵画では梅原龍三郎、音楽では山田耕作、詩では北原白秋・・・ああ、明治大正昭和の初期の文芸時代、何て人間臭い芸術家たちが出そろっているのでしょう・・・。

そして新しい文芸開花。

b0105259_16243386.jpg

by madamegrimm | 2015-08-20 16:20 | 人間 | Comments(4)

不思議なCDを見つける

 先日、駿河台下から御茶ノ水駅方面を歩き

b0105259_152543.jpg


上り詰めたところを左折、かねてから訪ねようと思っていたクラシック中古音楽館、とうとう見つけました。

階段を少し上がったビルでした。

かなりの男性人が結構広いスペースですのにCDケースの前を陣取って検索していられます。

女性は店員の他は見当たらない・・・。空いているスペースを捜しに奥の方へ進んでいくとLPなどのレコードも置かれている手前の通路にはどなたも居なかったのでゆっくり棚をみはじめましたらむむむ、ドイツのロマン派の作品をロシアのリヒテルと同時代のピアニスト・アナトリイ・ヴェデルニコフのCDが二枚鎮座しています。

前からこのロシア奏法ヴェデルニコフの演奏を聴いてみたいなーと思っていましたので中古としては少しお高い値でしたが一枚求めたのでした。

そして聴いています。考えています。すごいテクニシャンです。それぞれの作曲者が浮き出ています。

一番目に録音されているのは1968年に旧ソ連のモスクワで収録されたシューベルトの「さすらい人幻想曲」

二番目は1973年録音、シューマンの「交響的練習曲」作品13、全曲

三番目は1975年いずれもモスクワで録音、ブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲」全曲

シューベルトの幻想曲はあまりの強弱が激しい録音の状態で、そういえばあの頃はテープレコーダーで演奏を録音していたようで、まるで映画を撮影しているカメラのごとくマイクを弾き手の側に行ったり離れてみたりの様に聞こえてくる・・・。それでも揺るがないピアニスト・ヴェデルニコフ。

ピアノの調律もいま一つのシューベルトの曲を真剣な表情で弾く彼、憂いを含んだFotoの顔が浮かんできます。

次のシューマンの曲が鳴り始めましたら、おー、これぞシューマン、凄い!

ブラームスも難曲を事もなげにピアニストのピア二ズムに魅了されます。

このAnatoly Vedernikovアナトリーヴェデルニコフという方は両親がロシア人でハルピンに生まれ幼少からその当時著名なピアニスト、ヴェラ・ディロン女史に教えを受け、才能を発揮していって15歳ころ日本にも演奏旅行に来ているそうです。

しかし、その後彼の教育のために一家でロシアに戻りモスクワ音楽院のネイガウス教授の門下生になるのです。

何と帰国して一年も経たない内に両親はスパイ容疑で捕まり父親はすぐ殺されるのです。まるでリヒテルと同じです・・・。

その苦しみは表紙カバーの晩年の彼の顔から滲み出ているではありませんか・・・。

完璧を演奏する音から深い深い魂の音が聴こえてくるようです。お辛かったでしょうねー・・・。

b0105259_162446.jpg

                       (1920年生~1993年没)
by madamegrimm | 2015-08-17 16:03 | クラシックはお好き? | Comments(4)

音楽喫茶へ

 酷暑後の数日、ぼ~っと過ごしている内に身体が鈍ってきて運動不足もいいとこ、これではイケないと神保町に出てかなり歩き回る。

とうとう見つけました。神田駅南口から数百メートルの距離にあります音楽喫茶「Period」を。

b0105259_844550.jpg


汗を掻きかき大きなドアを押しましたらあれ、開かない・・。入口にはオープンの案内が出ていましたのでお昼休みかな?と思っていましたら中から開けてくださる音が・・。

マスターと初対面です。

内部はh氏ブログでご紹介くださっていました丸太の木でおおわれたオーディオが。

b0105259_821684.jpg


早速、「どなたかのバッハ平均律を」とお願いしましたら、トン・コープマンのチェンバロをかけてくださるではありませんか。

トン・コープマンの演奏は陰と陽に分けましたらどちらかというと陽でいらっしゃいますが実に奥深いバッハの捉え方で聴き入ってしまいましたがやはり音の響きに重きを置いていられるマスターの拘りが見えてきました。

いろいろお話しながらブレンデルのシューベルトや、何とサンソン・フランソワのベートーヴェンのピアノソナタ悲愴と月光を聴かせてくださり天才フランソワの素晴らしさが滲み出て聴こえてきました。1963年の演奏だそうです。

夏の午後のひととき、ビールの小瓶を飲みながらお洒落な清潔なキャフェで素敵な時間を過ごしてきたのです。

ビールのグラスがガラスではなく銀色の器でいつまでも冷たいビールが飲め、そのメーカーもサッポロの黒ラベル小瓶^^ 今日明日はお休みだそうですが日曜日以外は開けていらっしゃるそうです。

次回はいつにしましょうか・・・。

b0105259_847066.jpg

               夾竹桃            花言葉:心の平和
by madamegrimm | 2015-08-15 08:55 | クラシックはお好き? | Comments(4)

 昨夜も猛暑で眠れずいろいろな事を考えてうつらうつらの睡眠・・・夏は暑いのです。ハイ!

先日本屋さんをぶらぶら探索していましたら原田マハ『異邦人(いりびと)』が目につく。むむ、これって前に読んだ多和田葉子さんのカフカ『変身(かわりみ)』と同じようにカミュの日本語版かと思いきや・・とんでもない、凄い面白い日本の美の世界の物語なのでした。

暑い最中の清涼剤・・・、京都という盆地的気候の春夏秋冬の中で繰り広げられる京都のあらゆる奥深い美が私の心を楽しませてくれたのです。

久しぶりの一気読みでした。

場面は‘春は曙’の季節から始まる男女の物語、原田マハさんお得意の絵画の世界、今回は日本画です。

東京の画壇と京都の画壇が絡み、菜穂という学芸員も兼ねた金持な女性と東京の大手画廊の息子一輝の二人に3.11の大震災後、懐妊した菜穂が京都に住むようになって京都という日本古来の生活の中に移り住んでいくお話なのです。

日々のそこに住む人々の美しい佇まいを実に的確に表現された描写には恐れ入ります。

葵祭や祇園祭等の京都の街の活気溢れる、まるでそこに居るような錯覚をおこしてしまうくらい。

また登場してくる男女が着ているその季節に合った衣装の表現など着物にしても洋服にしても爽やかそのものです。

東京の人間から見てとても真似の出来ない憧れの世界が日本伝統の街になって人間模様と絡まって行く凄い物語なのでした。

おもしろかった・・・。

b0105259_8565677.jpg

by madamegrimm | 2015-08-12 08:54 | 人間 | Comments(3)

何色と申しますか

 今朝ドアを開けましたら淡い空色のアサガオが何輪も咲いているではありませんか。

b0105259_2145819.jpg


心を和ませてくれます。

立秋なのでした。昨日は・・・

空き地にはネコジャラシ

b0105259_21524724.jpg


あちこち空地は暑さで草ぼうぼう。
by madamegrimm | 2015-08-09 21:48 | 樹木草花 | Comments(2)

原爆の「語り部」

 この暑い最中での原爆投下が実行され人類破滅に繋がる人間と人間の戦いはもう止めるべきです。

あの敗戦後の生き残った人々はその地獄を経験しながら緘黙にならざるをえない状態で戦後の復興を成されてきたのです。その苦しみを力にして・・・。

小学生の頃、「原爆の子」という映画を学校の授業で観にいきました。その当時まだよく意味が解りませんでしたが、なぜなぜと思いながら何十年経ってもその記憶は忘れません。

ようやく最近語り部の方々がその杜撰さを話し始めてくださっていますがもう高齢の方や亡くなる方の世代になってしまいました。

そのような中で三年前ころに若い方々にもその体験を表現してもらおうと立ちあがった方々によって引き継がれているようです。

血の気がひく様な力強い表現力です。

今の与党国会議員に聴いて戴きたいです。

戦争はあってはいけません。加担してもいけません。苦しむのは人間みんなです。

その「語り部」のお一人のお名前は保田麻友さんとおっしゃる方です。

平和への思いです。best hope!
by madamegrimm | 2015-08-07 11:10 | 人間 | Comments(2)

暑い日よ、さようなら

b0105259_23303085.jpg


芙蓉の花も暑さに何とか耐えています。花言葉:繊細美

日本列島只今赤道のごとく・・・

今日でお別れ、暑さよ。

おやすみなさい。
by madamegrimm | 2015-08-05 23:36 | 樹木草花 | Comments(2)