今年のノーベル文学賞受賞のパトリック・モディアノ氏の作品3冊目を読了。

『暗いブティック通り』平岡篤頼訳(白水社)版です。

前回、『八月の日曜日』と『家族手帳』を読み、いま一つ腑に落ちなくて(何が腑に落ちないのか・・・自分でも定かではないのですが)どうしてももう一冊読みたくなりました。

正解でした。これもなにが正解なのか・・・、主観です。すべて主観です。

凄い作品です。一人の男が記憶喪失的な状態から展開していく過去への時を求めて『私』というあやふやな人間の存在を想像を膨らまし父親とだぶらせながら戦時中のパリの街や、人々のコスモポリタン・国際人と申しましょうかその世界をにおわせながら私は何者であるのかと問うているような、時々鮮明によみがえる有様を交えながら人生において人間の過去の重要性を個の発想から展開してゆき、意外と根無し草的虚無感が漂ってくるストーリーなのでした。

パリの街角がいたる所に散りばめられ、広場や通り名もまるでパリの街を昔黙々と歩き回った過去が私の記憶をよみがえらせられ、スイスの国境近くのフランス領での友人たちとの雪山での情景などでは記憶喪失になる場面でありながらファンタスティックな美が写し出されて思わずため息が出るのでした。

読後の幸せを感じます。

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この題名はもうひとつの『私』のアドレスはローマの暗いブティック通り(ポッテーゲ・オスクーレ通り)2番地のことです。まだミステリアスなのです。

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by madamegrimm | 2014-10-31 16:48 | フランス事情 | Comments(5)

風邪を引いたよう

 一昨日の夕方から急にくしゃみがたて続けに出始めて止まらず引き続き鼻から水滴が流れ落ち始める。

鼻のどこかの線が切れたのであろうかというほどスイスイ流れ落ちる。

まいったなー!こんな症状はじめて・・・

絶食後の抵抗力減退か・・・。

簡単に私の身体に風邪の菌が侵入してしまいました。

徐々に徐々に体力が軟(やわ)になっていくのですねー。

明日中に治るかなー。

勝手な荒療法はいけません。少し静養が必要と反省しているところです。

おやすみなさい^^
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by madamegrimm | 2014-10-29 22:12 | 人間 | Comments(4)

 午後の時間渋谷に直行しました。

ブログ友人のご案内に導かれ、懐かしいフランスの地名ブルゴーニュ地方「Tonnerre」が舞台となっている日本タイトル『やさしい人』を渋谷のユーロスペースで観てまいりました。

このトネールという地方はフランス・パリから東南にあたりワインの産地でも有名ですがブルゴーニュ地方の歴史と自然美が映画の方へと引き寄せていきます。

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ここを舞台にしたパリでミュージシャンとして活躍していたマクシム(俳優ヴァンサン・マケーニ)という男性が父親のいる故郷に戻ってきて、そこで出会うインタビュアの女性メロディ(女優ソレーヌ・リゴ)との恋愛に繋がっていくのですが、監督がギョーム・ブラックという1977年生まれの自己の世界を主役のマケーニに映しながらかなり自然体に見せる映像で観る者を惹きつけさせました。

そこで飼っている不思議な目の犬がまず度胆をぬきます。

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父親クロード(男優ベルナール・メネズ)が詩を詠むと喜ぶ場面なのですが、突然‘恥を知れ、・・・’と朗唱しはじめましたときは犬の表情とその内容に思わず吹き出しそうになってしまいました。
その詩は『十月の夜」というミュッセという19世紀の詩人アルフレッド・ド・ミュッセ(1810~1857)作だそうです。

フランスの教育の中で、小さい時からフランス詩を暗唱させ子供たちに言葉の本質をしっかり身に着けさせる教育に大変羨ましく感じたことを思いださせました。

中ごろの場面にも小学生が家族の中でテーブルを囲みヴェルレーヌの「忘れられた小曲」の第三篇を一生懸命少し間違えながら朗唱している場面もあり、素晴らしい効果の一場面でした。

全体に何とも言えない人間の哀しみと愛情が伝わってきましてやさしい人という題名に納得させられたのでした。

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ほのぼのとした気分で渋谷を後にしました。
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by madamegrimm | 2014-10-27 12:03 | フランス事情 | Comments(4)

モディアノ2冊目を読む

 体調が芳しくなく予定通り絶食2日を過ごし、昨日今日と徐々に良い方に向かっています。

人間の身体の不思議さは身を持って体験することによって改めて自分の身体の癖を思い知りました。

この歳になって断食という行為は初めてしてみたのですが2日目の夜はさすがにふらふらとなり、ここまできたのだからと自分に発破をかけて夜はもう9時には床に入って朝まで我慢したのでした。

3日目からは徐々に水分50ccから始め今日はもう生野菜も頂いてしまいました。

お陰で体重も風船のしぼむごとく4キロも減りました。

これからは自分の歳相応の食と運動できちんと過ごしていきたいと思っています。フー!

静かに家の中で本を読みました。

そしてモディアノの2冊目『家族手帳』安永 愛訳 水声社版です。

作者の生い立ちを記憶によって物語風に組み込んだ小説です。

前回の堀江敏幸氏の訳『八月の日曜日』を読んだ後なのでしょうか、翻訳の違いが少し気になりました。

例えば フクレは、窓の前で誰かと小声で話していた。部屋の唯一の家具であるソファーには金髪の若い女性が座っていた。僕が到着するとフクレが振り返った。フクレが僕の方にやってきて彼女を指して言った。

ここはⅩⅡの冒頭ですが淡々とした訳に少し気になり原文はどのようなのか・・・モディアノ自身の文章そのものが淡々としているのか、文章全体の把握が曖昧になってしまった私なのでした。

そろそろ他の作品も出回るでしょうから次なるモディアーノを読みましょう。

それにいたしましても彼の作品にはヨーロッパの土地名が沢山出てきてパリの街通りなどは記憶を辿るのに必死でした。

こちらの本の帯には

生きるとは、ひたすらに記憶を完成しようとすることだ。ルネ・シャールと記してあります。
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by madamegrimm | 2014-10-25 16:35 | 人間 | Comments(4)

 しばらく体調ベストでありましたが、昨朝今朝方久しぶりに気圧の変化によりましてか、胸の圧迫を感じる。

ベルリンに居る時も何度かあり軟な精神ではないつもりの私ですがその重圧は体にくるのでしょうか・・・。

最近、ビールはからだにいいという本を読んで自分に納得させストレス発散剤的飲料になってしまったビール・・・。

只今この国はビールブームとか・・・。

多種多様の世界中のビールが店頭に鎮座益しています。

ビール好きにはたまったものではございません。

とかなんとか言ってビールのせいにしてしまっている私なのですがつまりは食べ過ぎでしょう。

今日から2日ほど絶食します。

体調を整えなければ・・・。

いろいろな事があるのですが私の身体は自分できちんと管理しなければ・・・。

まだまだ生きていなければならないのです。

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                           木橋が映る川
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by madamegrimm | 2014-10-22 12:19 | 未分類 | Comments(2)

山間のお祭り

 晴天が続いています。

山間の村邑は地域のお祭りで盛り上がります。

この地域は春から秋にかけていくつかのお祭りが毎年繰り広げられ、

伝統的な獅子舞や学業成就や煙火奉納など変化に富んだお祭りなのです。

昨夕は八坂神社を祭る日で山間のせいでしょうか夜暗くなってから奉納された方の名前を呼びながら花火が打ち上げられるのです。

疫病神様で病を追い払いこの10月中旬以降は山の動物たちにも知らせる合図でもあるのか山中に響く呼び上げ声と大きな一つ一つの花火は深閑としている山々に変化を来たらします。

夜店も出て賑わいますが、年々人口も減ってきていて昔ほどには及びませんが半面、珍しい行事でもあり外にも広がってきているようです。

村邑のコミュニケーションの場にもなり地域存続の意味にもつながります。

にぎやかな一夜の数時間があっというまに過ぎ去りました。

動物たちも冬眠に入っていくでしょう。

今朝の山間は実のつかなかった柿の葉がオレンジ色に光輝き、生き生きとしたススキが秋の風情を醸し出してくれています。

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by madamegrimm | 2014-10-20 09:13 | 人間 | Comments(6)

 Patrick Modiano作『八月の日曜日』というコートダジュールのニースが主な舞台の作品に出会いました。

日本では予期していなかった作者のようでどちらの書店も印刷中の模様、フランスではファンが沢山いられるとのこと、是が非でも早く読みたく探し回りました。

何とこちらの国でも著名な作家兼教授の堀江敏幸氏の訳をみつけ、即手に入れる。

堀江氏の作品は『なずな』という少々私にとっては退屈な内容を読んでいて、似たような作品かなーなんて思いながらページを括って行きます。

フランスの地中海沿岸の街ニース、主人公の『私』が繰り広げるミステリー仕立てのパリ近郊・マルヌ河岸界隈の人間模様などを取り入れながら1980年代の時代がリアルに甦ってくるフランス描写の小説でした。

本の帯に翻訳者の堀江敏幸氏の文が載っていましたので記します。

そのとき、モディアノの主人公がつねづね怖れている「置き去り」状態が発生する。(・・・)たったひとり、モディアノの語り手は、いつも真っ白な現実にむきあわなくてはならない。彼らはいったいどこへ消えたのか?誰が悪いと責めることもできず、主人公はその折の衝撃のぶりかえしに怯えつづける。「胸の疼き」は、空白の前で立ち止まったときに立ちあがってくる既視感をまえにした、ほとんど身体的な反応だが、謎の解決は、愛した女性の肌のにおいだけを残して、全身をゆるがすこの既視感に屈して放置される。だからこそ、マルヌ河の瘴気を払い、ニースへむかうまえの夏の日々の、期待と不安が奇跡的に等価となる頁を読み返すたびに、読者は、この逆避行を生き直すことになるのだ。そのとき感じる「胸の疼き」は、もはや主人公だけのものではなく、私たちにもあたえられた厳しい試練となり、またこのうえない喜びとなるだろう。--「訳者あとがき」より

全体の感想といたしまして、まさに人間の個としての生き方が試され、現代の方向性が表示できず過去の柵から脱却しようとしながらいつのまにかひとり取り残され茫然と立ちすくみ、さて・・・、

この一冊ではモディアノ氏がまだ良く把握できない私なのでした。

もっと他作品も読まなければ・・・。

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2003年8月水声社発行
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by madamegrimm | 2014-10-17 19:25 | フランス事情 | Comments(4)

 こちら都内は朝から冷たい雨が降り続けました。

一年の6か月支給される年金支給日の今日、近くの銀行はお年寄りで行列になりますので大きな街に出かけていろいろ用事をすませてきました。

今年の夏の後半から再度翻訳物の『魔の山』を読み続けています。

この作者の小説の奥深い人間描写に感嘆のためいきがでます。

「ベルクホーフ」という限られた地域の中での人間模様が繰り広げられる作者の力量には今の作家たちの世界とは比べものにならない知力を感ぜずにはいられません。

ハンス・カストロプが冬山でスキーを始め、道に迷い精神の極めた描写など切羽詰まった中に美しい景色が繰り広げられるところなど、何度読んでも圧倒されます。

登場人物たちの手に取るような表現力、宗教の事、医学の事、芸術の事など様々な世界が私を興奮に追いやります。

ドイツ語でも読みたい・・・、しかしもう私には限界のような気が・・・。

原文をひろげてはため息の連続になっています。

そして昼、街に出ましたとき、見つけてきました。今年のノーベル文学賞の作者パトリック・モディアノ氏の『八月の日曜日』という作品が。

堀江敏幸さんの翻訳です。

ゆっくり読んで比較してみたいと考えております。
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by madamegrimm | 2014-10-15 20:40 | 人間 | Comments(4)

毎日が淡々と過ぎていく

 続けて台風上陸、山は爆発、土砂崩れ、福島原発放射能漏れと疲れ切ってしまっている東の国日本列島です。

昔から天災に痛めつけられながらも今日まで来れたのは何のお陰か・・・

のんきなことを言っていられるのも今の内なのではないか、不安が襲ってくるような今日この頃です。

日々淡々と過ぎていく・・・、毎日の買物で気がついたこと、ほゞほとんど値上げが始まっています。

まず飲食店、簡単に入れなくなりそう。

野菜、天候不順の理由もあり大幅値上げ。パン屋さん、大きさが小さくなったり消費税8%上乗せでえええ!という合計になる。

スーパーマーケット、極力必要最小限で。

もう食べること大好きな私は悲しくなりますが、癪なので近くのデニーズに入って値上げになったグラスワインの赤(ボルドー産と表示)と地中海フェア一皿(何が地中海的なのか)を注文して味は甘目でいまひとつを戴いてしまったのでした。

これでは何かは貯まらない・・・フー!

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変化を求めてさ迷い歩くしかないのか・・・。

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夏椿でしょうか・・・秋なのに
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by madamegrimm | 2014-10-14 21:20 | 未分類 | Comments(2)

 私の心に音楽が流れてこない。

殺伐とした日々が過ぎていっている。

そんな中、昨日はMeine Tochterの家族たちに会いに出かける。

志木駅に立ち寄り車で迎えてもらって某所へ。

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可愛いMお嫁さんの手作りケーキにかわいい愛を感じる。

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次次世代の若者たちの世界に圧倒された日でした。

何か自分が歳を重ねてきた意味が虚しくなり、先日久々にDVDを借りた中にまだ観なかった最近の映画『母の身終い』を夜静かに観ましたら益々重くなりこんな最後があるのかと身につまされ秋と共に切なさがおそってくるのでした。

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by madamegrimm | 2014-10-12 11:08 | 人間 | Comments(6)