欧羅巴のアルプス

昨日の午後から心持ち真冬の寒さから暖かさが訪れたような気がします。

これから又、もわ~んとした眠たげな空気が身体を襲い、春の霞に弱い眼もしょぼしょぼとさせながら加齢と共に季節が変わっていく様が始まる。

フランスのオランド氏もパートナーを交代なのでしょうか・・・。

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難しい世の中になってしまいました。何もかもが価値観のズレです。

昔でいう大人の権力、家庭で言えば父親の力ですが、弱まっていますねー。しかし、昔の父親像が良いといっているのではないのですが・・・。

そして社会のしくみが高齢者には理解しにくい世になってしまった・・・。

ネットの世界が、人間の進歩になるのか・・・。

多種多様の人々の生き方は、真面目くさって‘こうであらねばならぬ’的ではもう通用しなくなってしまったのです。

いま遅ればせながら読んでいるトーマス・マンの「魔の山」、なかなか先に進めないのですが、ヨーロッパ・アルプスの山間のサナトリュウム(結核療養所)内での様々な人間模様が一人の男ハンス・カストルプによってくり拡げられていく大作ですが、まだこの時代は結核の特効薬もなく、戦前の日本でもこの病気で沢山の方が命をおとしていることを思いながら読み進めているうち、病気はさておいて、大らかなゆったりとした日々に、逆作用が私のこころに迫ってくるのです。

そして人間の体の仕組みがあらためて再確認、その奥の分子は原子からなりたつ、そして、原子までおりていくことはきわめて危険だといっても過言ではない、とトーマス・マンは既に言っていたのでした。

大原美術館にある(多分・・)セガンティーニの絵が浮かんできました。

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by madamegrimm | 2014-01-29 11:51 | フランス事情 | Comments(4)

 夕方から急に寒さが益してきて町を歩いていると強い北風に身が凍てつくようでした。

先日なんとなく本屋さんで文藝春秋が気になり求めてしまったものの、村上春樹氏の短篇もいまひとつ・・・、読み終わって何か寂しさが募って来てしまいます。

このような雑誌は少々後始末に困るなーと思いながら、またページをパラパラとしていましたら、あ、著名人たちの短歌特集に目がいき、読んでいるうちに面白くなってきました。

独断と偏見でいくつか記してみます。

永井荷風:*朝がほにまさるあわれは 咲くままのすがたもかへず散るつばきかな

高村光太郎:*わが心ゆたかにさめて朝の日の かがよふ時し牡丹花さく
          
        *光太郎山に住まいてはるかなる フォンテンブロウの森しのびゐる

竹久夢二:*恋人はわがかたはらにつゝましく 紅き糸もて編物するも

鶴見和子:*おおらかに死を語りあう友のありて かがよい熄(や)まず我が老いの日々

新村出(いずる):*ひい孫にやさしく書いてやる文句 じつにむつかしそのかなづかひ


このように記していましたら私もひと歌・・・

*身に近し北風吹きて今宵火の 暖炉想いし寒さ凌ぐ日
  

              お粗末でした。


                       
      
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by madamegrimm | 2014-01-26 23:37 | 未分類 | Comments(4)

 東京都交響楽団、略して『都響』の定期演奏会に久しぶりに出向きました。

ベルリンで知り合いました打楽器奏者の安江佐和子さんのソロを聴きに・・・。

作曲家の安良岡章夫氏の‘レイディアント・ポイントⅡ~独奏打楽器とオーケストラのための’という曲です。

あとは‘ヴィオラとオーケストラのためのポリフォニア’これも安良岡章夫作曲。

もう一曲はシェーンベルクの‘5つの管弦楽曲op.16です。

会場はこれもまた久しぶりの東京文化会館大ホールです。

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安江佐和子氏とヴィオラソリスト川本嘉子氏のソロ、指揮は梅田俊明さんとおっしゃる方。

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まず会場に入りましたら舞台には打楽器用のセットが後部に連ねていて、あの大ホールの1階後方と2階前列に奏者たちの席も作られています。

大々的な打楽器との対決なのでしょうか・・・。レイディアント・ポイントとは流星群の輻射点という意味のようで、独奏打楽器を輻射点と見立てて、そこから発せられる音がオーケストラ、客席のバンダへと波及していく様がこのタイトルに象徴されているそうです。

作曲者が書いていることが、まさに美しく打楽器奏者・安江佐和子さんによって表現されたのでした。

彼女の動きは宇宙の彼方から音と共に流星群に乗って流れてくるようでした。私の席はあの広い会場が見渡せる3階の後方、彼女の動きが一望です。

ベルリンでは同じ棟の上下に住み、親しくさせていただいておりました。

ひとまわりもふた回りも大きくなられ素晴らしい才能を発揮していらっしゃいます。

ご努力に頭がさがります。  Wunderwar!!
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by madamegrimm | 2014-01-23 23:22 | 人間 | Comments(4)

 あまりにも寒い日でしたので一日CD三昧。

先ほど少しコンビニまで走りましたが、歩いている人はほとんどいません。明日の大寒は雪になるかも・・・。

先日、FMラジオを聞いていましたら、シューマンのピアノ五重奏曲が流れてきて、むむ・・、日本人と東洋人の演奏で少し気になり、You Tubuを検索しましたら、アルゲリッヒグループの演奏を聴く。チェロがマイスキー、大進さんが第二バイオリンを弾いていらっしゃるのも良いですが、また、CDを捜してきました。

素晴らしいのを見つけました。

ピアノがペーター・レーゼル、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団、1983・4年 ドレスデン・ルーカス教会での録音です。

ピアノ四重奏曲作品47も一緒です。

やはりシューマン(1810~1856)の曲はヨーロッパの風景が舞台になるような気がいたします。

この曲は1842年頃から「室内楽の年」と言われたころの作品で、この五重奏曲は1842年9月から10月にできあがり、初演はライプツィヒのある邸宅で非公開で行われ、そのときにピアノはメンデルスゾーンによって演奏されたようです。

シューマンはその後、メンデルスゾーンの助言などを経て改訂し、1843年1月8日にクララのピアノによって、ライプツィヒのゲヴァントハウスで公開初演されたのでした。

その歴史がこの盤にも表れていて、弦とピアノのバランスの素晴らしさと、モネの絵のような豊かなヨーロッパが目の前に表現されていくのでした。

共に求めたsony盤で1968年ころに演奏されている五重奏曲作品44の方、レオナルド・バーンスタイン(あのかの有名な指揮者)がピアノを弾き、弦はジュリアード弦楽四重奏団、そして作品47の方はピアノがグレン・グールドとジュリアード弦楽四重奏団なのです。

これまた凄い。特にグールドのもっていきかた・・・。

もうこうなりますと、好みの問題ですが、流れるような美はゲヴァントハウス・クワルテットでしょうか・・・。

なんてみずみずしい演奏!  一日シューマンに浸りました。
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by madamegrimm | 2014-01-19 21:52 | クラシックはお好き? | Comments(4)

上田敏詩集より

 冬空の下、母のところへ・・・。

前回約束していた『山のあなた』上田敏訳を書いて持っていきました。

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ドイツ語 カアル・ブッセの詩

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そして何と家に上田敏詩集初版本がありました。

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大正11年12月28日印刷、 大正12年1月10日発行、 定価八拾園

mein Ehemannの書庫より・・・ 

この古ーい詩集も持って・・・嬉しそうなmeine Mutterでした。

あ、今日のマイブログ、多和田さんがおっしゃっている‘顔まるだし’です。どうしましょ・・・。
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by madamegrimm | 2014-01-18 22:33 | クラシックはお好き? | Comments(4)

 先ほど、芥川賞・直木賞の受賞者が決まったようです。皆さま女性・・・。

どの方のも読んでいませんが。

肩が凝る位、数日、チェーホフにのめり込みました。

この本の訳者であります沼野充義氏は1954年生まれの大学教授でいらっしゃいますが、大変興味のそそられた内容でロシア作家チェーホフの世界が見事に短篇集でありながら醸し出されておりました。

4つのタイトルに分け、「女たち」「子どもたち」「死について」「愛について」とそれぞれに4話くらいの短篇を入れて、作品が見事に浮き出されています。

印象に残った作品で女たちから『いたずら』(他訳では「たわむれ」等) 『中二階のある家』
子供たちでは『牡蠣』 
死についてでは『ロスチャイルドのバイオリン』
愛については有名な『奥さんは子犬を連れて』(他訳では「犬を連れた奥さん」)

チェーホフの生い立ちを探ってみると幼少のころから父親との葛藤があったようで辛い貧しい子ども時代を過ごし、家計を助けるために医学の道を選び、その合い間に小さな作品を数々雑誌などに掲載され才能を発揮させていったようです。

44歳で亡くなりますが、作曲家でいいますと、ラフマニノフ等の時代、私にとってロシアの芸術の深さには人間をうならせるものがあり、冷めた目と言ってしまうことには的確ではありませんが、ある文の中で言っている言葉で、「人間はいったん自分の本当の使命を自覚したら、もう宗教や学問、芸術によってしか満足できなくなるんですよ」・・・う~ん・・

 1860年1月17日、南ロシアのタガンローグに生まれたチェーホフ、丁度誕生日に記すことになりました。

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by madamegrimm | 2014-01-17 00:01 | 人間 | Comments(9)

短篇集

昨日は成人の日で祭日であることを当日になって知る私・・・。

少し前までは成人の日は1月15日と決まっていましたのに、ころころ変わる祭日なんて・・・。

ま、寒いでしたが晴れ着姿の若者を見る楽しみも兼ね、地下鉄を乗り継ぎあちらこちらへ。

永田町という駅で乗り換える時、エレベーターでB1を押しましたら間違えたようでこんどはB3を押しようやく半蔵門線に乗れる駅構内、エレベーターを出ましたら、何とそこは飲食街・・、なんでござんしょ!ははー、官庁街の方々のための休息場なのでしょうか・・・。

きょろきょろしながら、長~いエスカレーターを降りてようやく半蔵門線に乗り替え、三越前で下車。

久々の三越デパートを訪れる。

ぶらーりぶらーり、店内を歩き回り、新館から本館へ、かの有名な大広間、そういえば暮にその広場でベートーヴェンの第九を演奏した模様がZeitungに出ていましたー。

2階に素敵なウイーン風キャフェがあり、美味しいコーヒーを戴いて、上階の本屋さんで面白い本を見つける。

新訳 『チェーホフ短篇集』 沼野充義訳(集英社) 第一刷発行が2010年9月30日で、少し前のですが新たな気持で読み始めたのでした。

最近、短篇集に興味が惹かれる・・・、理由は読みやすいこともありますが、何気ない文章の中に人間の深みに出会い、あっと気づかされることが多々あるのです。

さあ、今日もクラシックの本に浸りましょ。
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by madamegrimm | 2014-01-14 11:51 | クラシックはお好き? | Comments(4)

寒い毎日です

 寒い日が続いています。

大寒は20日ころ・・・、まだまだ寒~。

昨日は鏡開き、お汁粉にして温まり、今日はふっと春の歌が頭をかすめます。

昔、小学生の頃、5つ違いの上の姉が女学院で習ってくる歌をichによく教えてくれました。

イギリスの歌でしょうか・・、何故か鮮明に浮かんでまいります。

四つ葉のクローバ(Where the Four-leaf Clovers Grow)

 うーららにーてる ひーかげにー、ももちのはな ほーおーえむー

 ひーとーしらぬーさとにーおうるー、よつ葉ーのクーローバー、

 みーつーの葉はー、希~望~しんこう、あーいーじょうのしるしー、

 の~こーるひと 葉はさちー、もとめ~よとく、その葉ー、

 希望深く しんこうーかたく 愛情あつくーあれー。

 やがてーなれもー、つみてーとらんー、よつ葉ーのクーローバー。 
 R.E.Reuter作曲

なにか邦楽の歌のお稽古のような歌詞の記しかたになりましたが・・・。



昨日あちこち歩いていましたら、もうスイトピーが店先に・・・

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心が少し暖かくなりました。
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by madamegrimm | 2014-01-12 12:43 | クラシックはお好き? | Comments(2)

 先日からピアノ・グルダ、アーノンクール指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を聴き通し、バックミュージックにもして本を読み始めましたら、とても聞き流す演奏でもなく、とてもいい加減に読む本でもないことに気が付く。

耳と目を同時に進行させていくには、どちらかを気抜きの状態にしないと、あぶはち取らずになってしまいます。

モーツアルトの音楽の方より、グルダの偉大さを再認識、何故彼があのように後半、帽子をかぶり、天衣無縫な姿になっていかれたのか、少し解るような気がいたします。性格にもよりますでしょうが、真の音楽家です。

聴いていると、オーケストラと指揮者アーノンクールの正統性と申しましょうか、一見、正反対のように感じられますが、とんでもない・・、グルダの磨き抜かれた音楽性とピッタリです。

そんな幸せ感の上に、私の好きな作家、多和田葉子さんの新刊をブログ友人より知り、早速手元に。

音楽をいったん中断し、ドイツ語と共に多和田氏のトーンに浸りました。

彼女は決して人を批判したり、侮ったりせず、各国々の言葉への思い入れは謙虚に、素早く日記に記録しながら楽しい比較文学にしていく素晴らしさには圧倒されるのでした。

音楽、文学は私にとってあらたなる課題です。

ワーグナーが大まじめに騎士物語を書いている『パルジファル』の上演の中の言葉・・・

「Durch Mitleid wissend, der reine Tor! (哀れみによって知恵を得ながら、純粋なる愚鈍者よ!)」多和田氏の訳。

 ichかなー・・・。
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by madamegrimm | 2014-01-09 15:52 | 人間 | Comments(8)

新春のCD聴き初め

 お正月も、もう6日です。

新年のウイーンニューイヤーコンサートも観られませんでしたが・・・。

年の初めの音楽はやはり私はモーツアルトになりますでしょうか。

ウイーンの三羽烏のお一人、晩年はジャズにも傾倒していきましたフリードリヒ・グルダです。

アーノンクール指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との共演『ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488と第26番ニ長調K.537(戴冠式Coronation)』をみつけました。

1983年オランダのアムステルダムでの録音です。

やはりいいですねー。

リズム感とテンポ感が極めています。

人間離れしていない温かさのある演奏でもあります。

同年に近いピアニストと指揮者の息がぴったりの演奏で何の不安も感ぜず音楽に浸れました。

23番は思い出と懐かしさの曲、よいオーケストラと出会う演奏家は幸せです。

さあ、今年もどのような音楽と出あいますでしょうか・・・。
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by madamegrimm | 2014-01-06 11:09 | クラシックはお好き? | Comments(4)