「ほっ」と。キャンペーン

 1970年頃に雑誌「文芸」に連載されていた「新恋愛論」という題名が『愛の試み』という随筆集として発刊されています。

その新潮社の文庫本『愛の試み』を読みました。

青臭いといわれてしまえばそれまでですが、この歳になってこのような本に出会うとは、何て人間の考察になったことでしょう・・・。

自分の人生を振り返って見るとこの本が言おうとしている意味が伝わってくるのです。

愛、孤独、エゴという言葉の本質をついた文面は福永氏の「草の花」を詠んだ時から感じいっていたのです。

『愛の試み』は、はっきり言って「孤独」がテーマであることに気づきます。

エッセイの中に挿話がところどころに入っていて、その挿話が最後まで繋がっています。つまり文は一貫しています。その挿話・・短いお話が何とも言えなく美しいのです。

作者もおっしゃっていらっしゃいます。

〈僕は心理学者でも、教育家でも、道徳家でも、信仰者でもない。僕はただ、人間が生きるために他者を求めて行くその魂の願いのようなものが、生きるための人間の希望の一つであると考える。僕が愛という場合に、それは常に孤独と相対的なものである。〉

そして、愛と孤独は少しも衰えさせずに長い間保って行くことには、非常な努力が要るだろう。その試みは決してた易くはない・・・と。

エゴの強力な人間には相手の孤独が見えない。

孤独と孤独がぶつかり合う愛の共通の場。

孤独はエゴの持つ闘いの武器であり、愛もまた一種の闘い、相手の孤独を所有する試み・・・。


ふり返る人生の私には、なるほどと、あらためて森有正が言っていました《孤独は精神です》の理解を深めたのでした。

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 先日横浜の展覧会で観た「パリの夜明け前」(プーシキン美術展)



                                数日山間へ・・・
by madamegrimm | 2013-09-29 08:00 | 人間 | Comments(7)

昨夕の空

 久しぶりに友人家族に会いに新宿にでました。

懐かしい西口外の景色。

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どうっていううことありません・・・。

雲は台風去りし。
by madamegrimm | 2013-09-27 11:52 | 未分類 | Comments(4)

 昨日は一日家の中でうろうろ動き回って過ごしたせいでしょうか、夜眠れない・・・。

こんな時はパソコンを打ちましょう。

ブログ友人の音楽を聴いてその後ろに載っている数々を聴いていましたら、小澤征爾さんの若い時からボストン時代の様子の映像を見ることが出来、楽しんでしまいました。

やはり凄いオーラをお持ちの方ですね。

そしてウイーンでのカラヤンに因んだコンサートではアンネ・ゾフィー・ムターのヴァイオリンでベートーヴェンのコンチェルトOp61の収録を観ました。

このころの征爾氏は少し体調が芳しくない様子がうかがわれ、それがかえってアンネ・ゾフィー・ムターの魅力に引き出されていて、成熟された彼女の素晴らしい演奏が聴けました。

カラヤンが見つけ出したムター嬢、なんとその初々しいカラヤンとの共演が同じ曲で観れたのです。

同じベルリンフィルで。

今の時代ならではです。ブログ友よ、ありがとうございます。

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by madamegrimm | 2013-09-26 04:43 | クラシックはお好き? | Comments(2)

メルケル首相大勝と

 ドイツ総選挙で22日投票結果はメルケル氏に再選された模様、ドイツ人たちの安定志向が繁栄したのでしょう。

調整型の政治家と云われている女性メルケルさん、世界を平和に導いてほしいです。

ドイツ語の進展がないIchにとって、唯一の楽しみは毎月発行の「まいにちドイツ語講座」を購入し、ドイツやオーストリアの情報を楽しむのです。

10月号応用編はÖsterreichーImpressionen(オーストリアの魅力について話そう)です。

Ichはドイツのベルリンで語学を学んだのでオーストリアとはだいぶ発音など違ってきますので多分あまりラジオは聞かないと思いますが、毎回講座テキストを読むのが喜びなのです。

今回の始まりでLand der Berge(山の国)でオーストリアの位置を紹介しています。

Seit dem Altertum wird das Schicksal Europas durch die strategische und geopolitische Bedeutung der Alpen bestimmt, die sich von Westen nach Osten als mächtiges Bergmassiv durch die Schweiz und Liechtenstein bis hin vor die Tore Wiens erstrecken.
Hier findet dieses Gebirge schließlich durch die Donau seine Begrenzung. etc.・・・・・
(古代からヨーロッパの運命はアルプスの戦略上、地球学上の意味の影響を受けてきました。アルプスは巨大な山のかたまりとして、西から東へスイス、リヒテンシュタインを抜けて、ウイーンの戸口まで延びてきています。最後にこの地でアルプスは、ドナウ川によって断ち切られています。)・・・・・

このようにしっかりと語句の変化を踏まえながら分かりやすい説明がほどこされていて、毎号集める趣味の私です。

もう何年にもなり、あちこちのタンスの上や棚に積み上げられてしまったテキスト本、いつか役に立つと積読本になりました・・・。
by madamegrimm | 2013-09-24 11:46 | ドイツ事情 | Comments(4)

 軽やかな音によって心の落ち着きに導いてくれるハイドンのソナタ、日常の疲れを癒してくれます。

時々Meine Mutterのところに顔を出し肌艶がよみがえってきている様子に人間の生命力は計り知れない。

母にとっては子はいくつになっても可愛い子・・・、帰るときはいつも「また来てね」と。

そして会話で過去を振り返ると一番蘇えってくる場面はやはり戦争中に皆の子を連れて疎開先に移動している頃の様、私は赤ん坊でおんぶをし、両手には姉2人の手をひいている姿が浮かぶようです。

周りの方々に助けられながら危機を乗り越えてきた一世紀は大変な事でしたでしょう。

つくづく母は強しです。あと少しの人生を慈しみ大切にしてあげなければと思う日々です。

そんな中でも映画好きのわたくし、少し前にロードショーでした「クロワッサンで朝食を」を観に有楽町の側ビックカメラの上‘角川有楽町シネマ’へまた行って来ました。

午前10時半から一日一本だけの上映です。

バルト三国のひとつであるエストニアの国からパリの老婦人の元へ家政婦としてやってきて、住む世界の違う2人のドラマです。

パリという様々な移民の歴史が垣間見られます。

老婦人役が往年のフランスの大スター‘ジャンヌ・モロー’なんです。

パリの高級住宅街16区の住民にピッタリはまった役で懐かしく街々が思い出され(あー、同じ辺りを歩いたなー)の感ひとしお。

ジャンヌ・モローが着ているほとんどのお洋服がシャネルです。

年下のキャフェのオーナー恋人役はパトリック・ピノー、エストニアから来た家政婦役はライネ・マギという新人のよう。

どちらかといえば、エストニア映画ですがそれぞれが歩いてきた道はまったく違っても反発しながら最後は固い絆で結ばれるお話ですが、この監督の母親の実話を許にしたストーリーだそうです。

パリの街を楽しみたい方にもおすすめの映画でした。

 帰りビックカメラでほんの少しお買いもの・・・。アララ


9月28日から10月4日までは「角川シネマ有楽町」では午前10時半と午後14時過ぎに2回上映するようです。
by madamegrimm | 2013-09-23 11:23 | 未分類 | Comments(4)

アザミ展へ

 ここずっと夏の暑さ疲れでしょうか、夜が眠れなく閉口です。

今日は中秋の名月のよう、お月様もまんまるですが、この時期はいつも山間でススキと共に楽しんでおりましたので少々物足りない・・・。

上野の科学博物館でアザミの秘密を教えていただける特別企画展を開催していましたので行ってきました。

鶯谷駅の方から歩きました。残暑厳しい光です。

会場には子どもたちの集団が列を連ねています。

主に見学しているところは常設展の方ですが日本館で展示されている「日本のアザミの秘密」と題した方は空いていました。

動画で撮影してきたのですが、まだこちらに移動させる操作が判らず、今日は過労・・・、ギブアップです。

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江戸時代の植物図鑑の絵です。

因みにアザミはドイツ語ではAcker-Kratzdiste/Disteln フランス語ではCirse des champsといいます。

身近なアザミを見つけなければ・・・。

 何か眠たい、でも眠れない、沢山歩いてきたのですが・・・。
by madamegrimm | 2013-09-19 21:57 | 樹木草花 | Comments(2)

他ブログご紹介の本

 今夏の暑い日々、沢山のブログも拝見させていただきました。

その中から「夏の嘘」をようやく図書館から借りることができましたところ、同時にブログ友人が紹介していらした松家仁之編の「美しい子ども」という新潮クレスト・ブックスからの短編集を見つけたばかりでした。

「夏の嘘」はドイツの作家ベルンハルト・シュリンクというかたのやはり短編集。

そして「美しい子ども」にもシユリンクの短編「リューゲン島のヨハン・セバスティアン・バッハ」が記載されているのでした。

只今、私の頭の中は混乱しております。

ついこのあいだ、福永武彦の日本人的重たい小説を読んだ後でもあり、現代作家それもドイツ人なおかつこの方はニューヨークと行ったり来たりしているプロフェッサーなのです。

さりげない日常のエピソードを人間のこころの奥の不確かさや不安がタイトルの嘘に繋がり、その嘘によって変わっていく男と女の人生が浮き彫りになっていく。

すべて嘘は誠か・・・、何か頭が疲れてきました。

シユリンクの最後の短編「南への旅」に出てくる老婦人の昔の恋人・哲学者が彼女に送ってきた自分の本の題名が「希望と決断」。

さてどのような本なのでしょう。

どの短編も終わり方が優柔不断・・・人生とはそんなものなのでしょか。

半沢直樹のように生きれないのかしら、今の時代は・・・ donc(deshalb)半沢直樹を観るのでしょう。

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by madamegrimm | 2013-09-17 22:22 | ドイツ事情 | Comments(7)

台風18号と敬老の日

 2日前から、かなりの雨量が降り続いています。

風も時々突風のような強さで木々を揺らしている。

東京は比較的緩やかに襲ってきていますが、関西中部地方とりわけ京都の桂川の氾濫で嵐山辺りの家屋は浸水が激しそうです。

今回の台風は雨の強さが尋常ではありませんでした。

台風が上陸しましたらよく温帯性低気圧に変わることが多い昨今でしたが日本は川の国、溢れ出たり土砂崩れに襲われたりしましたら打つ手がありません。

被害にあわれた方々への思いがひとしおです。

こちらもまた今、空が真っ暗になってきました。油断禁物のようです。

紙面は敬老の日一色・・・。この国の1/4が高齢者の割合のようです。

街を歩いていると、もっと多いような気がいたします。自分も含め常に考えさせられる問題です。

総てが後手後手に回っている社会には閉口です。

人間の肉体は一人一人の差があることに高齢者になってみないと分らない事が多々。

この国には100歳以上が今何万人にも達している。しかし働けない・・・。

介護制度は大分充実してきているようですが、各家庭にはお金も必要になってきます。

高齢者も健康なうちは働きたい、しかし年齢だけで窓口を閉じてしまう社会。

能力を示す方法も儘ならず、ひたすら死を待つ高齢者・・・。

 哀しいサガである。

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by madamegrimm | 2013-09-16 12:35 | 未分類 | Comments(0)

 涼しくなりましたと記したばかりですのに、昨夜の寝苦しいことといったら・・・。

またまた残暑厳しい昨日今日、クーラーをつけたり消したりしながら読書に耽る。

暑い夏は池澤夏樹氏の本が興味の対象でしたが、やはりデビュー作が心に深く残りました。

そして今までお名前だけ知っていました福永武彦という小説家、つまり池澤夏樹氏の父上の本が読みたくなり「草の花」に出会う。

新潮社で文庫本にもありますが、とうとう古書で見つけてもらいました。なんと装幀・題字は画家の岡 鹿之助です。

静かに ‘私はその百日紅の木に憑かれていた。’から始まります。

あの時代が蘇えってきました。昭和30年前後、私はまだ小学校高学年・中学生の頃です。文学界も坂口安吾や、檀一雄の方々が続々と激しい文体で賑わせ始めた頃です。

この福永武彦の戦中戦後の死を感じさせながらの文体は、あの当時は巷にはあまり・・・、の立場でいらっしゃいましたでしょうね。小説は今こうしてひも解くと、あらためて芸術であることに気づかされるのでした。


この一人の人間、作中の名前・汐見茂思の常に死を意識した若くして絶望的寂しさからの孤独小説といってしまっていいのか、その中には美しい人間模様と表題の‘草の花’のごとく男女のそこはかと漂う情景が写し出されるのです。

終わりはで ‘どうぞわたくしをおゆるしくださいませ。’ う~ん、凄い。

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by madamegrimm | 2013-09-13 11:11 | 人間 | Comments(3)

 せわしない日々、ここ数日、あの猛暑からよううやく逃れることが出来るようになりました。

出かけても、もう帽子も日傘もそれほど気にしなくてよさそうです。

土曜日に母のところへちょっと寄り、よくぞこの猛暑を乗り越えられたと感心。もうすぐ敬老の日、小さなブーケを送っています。

7日から初日の映画「大統領の料理人」を銀座で観る。

このフランスの大統領ミッテラン時代に、丁度家族でパリに行っている頃でした。

社会党の方から当選したミッテラン氏、背景がそのようなことを考えながらの観賞です。

ミッテランにはあまり似ていませんでしたがエリゼ宮の厨房の様子が垣間見られフランスの人々も日本の人々も変わらない厨房の世界、そして料理長の責任ある心の葛藤、人間関係、いずこも同じ姿にこの実話でいられる女性料理人に拍手を送りたい気持です。

こちらに出てくる料理はフランスの食材の数々、楽しく見る幸せを感じながら、私にとって一番の印象は大統領が厨房に降りてきて女性料理人と孤独な二人のさりげない会話と共に、薄切りにした田舎パンにトリュフを小さく刻んだ溶かしバターをたっぷりつけ、その上に薄切りのトリュフを並べて赤ワインと共に戴いている場面でした。

思わず素敵ー。(二人の会話共にです。)

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この女性料理人はエリゼ宮を辞した後、南極調査隊基地で一年腕をふるうようになります。

フランス人らしい生き方です。
by madamegrimm | 2013-09-11 10:00 | 人間 | Comments(4)