カテゴリ:人間( 401 )

昔の話

 昔、子供の頃、雷が鳴ると「あ、もうすぐ梅雨が明ける!」と胸が騒ぎ、鬱陶しい日々から解放されるのだ、と恐れも知らず雷嵐の中を駆け回り、楽しみな夏休みを想い描く私でした。

何十年も過ぎた今、気象情報が的を得、地球異変の続くこの惑星は梅雨の前から激しい雷雨に見舞われ、遠くで雷鳴が聞こえてくると季節外れの天候に目を奪われる昨今です。

今もどんよりした空模様からきっと雷雨が襲ってくるでしょう。

庭の紫陽花を一輪、切って見ました。

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これからの長い梅雨を想わせてくれるノーマルアジサイ、肌寒い今日は外出の元気もなく、じっと家の中で耐えている私、紫陽花をみつめながら(痛くない死に方はないかしら・・・)と思案してしまうセンチメンタルジャーニーなのでした。
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by madamegrimm | 2017-06-18 15:09 | 人間 | Comments(2)

追憶

 ようやく梅雨らしき今朝の空模様、雨も少し落ちてきて1階の部屋の中は暗い。

肌寒い気温で母の着物を改良した上着をはおる。

最近、健康維持の為に拙いピアノと歌を自己流に始めている。

先ず最初にモーツアルトのピアノソナタからCdurの2楽章♯ひとつついてるターーティティティティ|ティーリタースン|(ウフ)をゆっくり弾き、歌の本を取り出して自分で伴奏の出来る唯一の曲、『追憶』(スペイン民謡)を歌いだします。

こうして昔を懐かしむような日々をおくっていると辛かったことや悲しかったことやいろいろな思い出が遠い彼方に吸い取られていくような気持にさせてくれます。

あー、それに致しましても痩せたいな~、水を飲んでも沢山歩いても太るのです。声楽には良いのですが・・・。

無理なダイエットをすると免疫力低下になってしまうし・・・。

加算されていく身体には精神力で補えるでしょうか、実験です。

『追憶』の歌詞は古関吉雄という方の訳詞です。記します。

ほしかげやさし~く
またたくみそら 
あおぎてさまよ~い
こかげをゆけば

はうらのそよぎ~は
おもいでさそい~て

すみゆくこころ~に
しのばるるむかし

ああーなつかしそのひーー

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by madamegrimm | 2017-06-13 11:42 | 人間 | Comments(2)

 ブログ友人が記していらっしゃった柴田 翔著の最新作『地臓千年、花百年』(鳥影社)を今読み終わり感無量の面持ちと申しましょうか、まさにドイツ文学を想わせる力量に圧倒されました。

通奏低音のように流れていく加見直行という主人公がまるでオーケストラの楽譜のように何重にも和音になって繰り広げられていく物語は読む者に深い感銘を与えてくれる・・・。

このような作家がいられたとは・・・私、迂闊でした。

昔、芥川賞作品『されどわれらが日々・・・』受賞から30年ぶりの長編小説のようです。

同時代を歩いてきました自分とダブらせながら、背景や人間の移り変わっていく様々な情景がリアルに思い浮かび想像させられていくのです。

読み応えのある『空』に繋がる素晴らしい人間の一生物語作品でした。

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                           ハナミズキ(小説の中の花)
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by madamegrimm | 2017-06-04 22:51 | 人間 | Comments(4)

いやはや・・・

 世も末じゃ・・・。(政界の事ですが・・・)

このご時世に、1年近く待った図書館より『羊と鋼の森』・宮下奈都という昨年でしたか本屋大賞をとられた方の本の連絡があり、少し間が抜けた感じで読み始めているうちに、世のご時世に引き込まれ考えさせられ、歎き悲しむこころで、読み終わったのでした。

若者が調律師に惹かれその世界でピアノという楽器、弾く人、調律の深みまで、森で育った外村青年の音への関心を綴った小説です。

調律の大切さは良く知っておりますが、ようは ‘音楽は人生を楽しむためのものだ’ をあらためて読後に気がつく私なのでした。

今日までなので返して来なければ・・・。

蒸し暑くなってきました。これからのアツ~い日々、いかに生き延びましょうか。

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ガクアジサイが咲き始めました。
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by madamegrimm | 2017-05-27 11:14 | 人間 | Comments(2)

歴史一駒の深さ

 昨日、沼辺氏ブログ『私たちは20世紀に生まれた』に紹介されていました桑野塾主宰のレクチャーに初めて参加させていただきました。

ほとんど誰も観られなかった1916年(大正5年)6月16日から三日間帝国劇場で開催されたロシア舞踏団初来日のお話です。

沼辺信一氏のご解説でここに至るまでのきめ細やかな内容でした。

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当時の新聞広告です。

このマリインスキー劇場初来日百周年展がロシア大使館関係で昨年の12月26日にTVニュースで放映されそれをご覧になった沼辺氏のご探究レクチャーで久しぶりの大学キャンバス内での講義に胸が高鳴りました。

バレリーナとしてその公演に来日したエレーナ・スミルノワはロシアの舞踊学校在学中ニジンスキーの相手役を務めるなどした注目を集めた女性、もう一人の男性はボリス・ロマノフというバレエ・ダンサー兼振付家で後に二人は結婚し、後半はベルリンで小規模のロシア・ロマンティック劇場を立ち上げています。

1916年の日本初ロシアバレーを観た方たちの批評文をプリントしてくださっていて当時の新聞記者名倉氏、大田黒元雄、石井漠、山田耕作、与謝野晶子、有島武郎等の文も楽しく拝見いたしました。

これらの舞踊団はフランスのパリでも公演されていて当時外遊されていた小山内薫や島崎藤村なども文にしていられます。

まだまだたくさんのお名前が出てきて拝聴していて溜息の連続でした。

とりわけ石井漠は私の幼い頃、疎開先で大好きな叔母が地域で踊りの学園に通っていて、そこは石井漠直系の学園で戦後すぐ私の初めての幼稚園生活の場でもありました。

小さな繋がりですがモダンバレーを取り入れた自分のバレー界興味のスタートです。

これからの日本という国も考えさせられる歴史深いレクチャー、こころから御礼申し上げます。

初めてお目にかかりました沼辺氏、温厚な優しさに溢れた方にお見受け致しました。

ありがとうございました。
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by madamegrimm | 2017-05-21 10:49 | 人間 | Comments(4)

 先日、神保町でみつけた草野天平全詩集を発見し胸が騒ぎました。

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もう一度Up致しましたが草野心平の弟君でありますが兄上とまた違った42歳志半ばで病死なさいます。

清純な独特な精神の姿勢で読む者を惹きつけます。

明治43年生まれの天平は私の父と同じ歳、その生い立ちを考えると明治大正昭和を背負った一人の軌跡として深く浸透していくのでした。

そして何よりも私に身近な存在となっているのはその妻、梅乃女史のことです。

この詩集を編纂されたのです。夫亡き後・・・。

草野梅乃女史は私の15・6歳頃の学び舎での日本文学史の先生でした。

いつも髪の毛をいっそくにまとめ紅系の着物をきちんと着て教壇の前の机に教材を置いて二葉亭四迷や白樺派やアララギ派等々説明なさっているのですが私はその当時、外国小説に凝っていていつも隣の親しい友人Kさんと小説の話に夢中の頃でした。

草野先生の日本の作家・小説類にはあまり興味が湧かず何かぼーっとしていた時なのか、先生と目が合って「・・・・さん」
と大きな目で私を優しく見つめています。

その声と趣きが強烈な印象として残っている個性豊かな先生でいらっしゃいました。

先生の父上が弁護士で草野天平とはどのように出会われたのかよく存じ上げませんが前妻のお子を育てながらのご苦労が多かったでいらっしゃいましたでしょうに、亡き後のこの詩集を発刊するにあたっての情熱には頭が下がります。

2006年にお亡くなりになっていらっしゃるようですが草野天平という詩人を世におくり出したことの素晴らしさに感動しております。

草野天平の『一少年に』という詩を記します。

なぜあなたはさういふふうに気をゆるすのですか
先生と言ったなら
なぜ最後まで言い通さうとはしないのですか
目の前に例へゐようがゐまいがです
人はどんなに大人びようが
世の中がどんなに違った風に進もうが
たった一人
へりくだった
生意気じゃない気持をもたなくてどうします
物ごとは
なんでも初めは一人です
世の中を善くするのも悪くするのも
唯この一人からです
いいですか
たうてい動きそうもない遠大なものでも
たった一人の力
あなた自身の力の出し方しだいで動きはじめるということを知らねばなりません
生意気にならない、ということも同じ理屈です
恐らく人は子供っぽいといって馬鹿にするでせう
くやしいこともくやしいし悲しいことも勿論悲しいです
そこをじっとこらえるのです
辛抱しきるのです
その位のことが出来ないで
どうして人の心を打ち動かすことが出来るでせうか
事柄はちっぽけです
ところがこのちっぽけこそが実は大変なのです
まあやって御覧なさい
苦しいですがまた非常に雄々しくもありますから


もう一つ記します。

木々の梢』

不協和の調べは一つもなく又同一の調べもない。それはこの上もなく純一で、しかも変化に富んだ交響曲である。

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by madamegrimm | 2017-05-09 11:15 | 人間 | Comments(2)

神保町へ

地下鉄のエレベーターを降りると真正面に学士会館が見える。

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erste Hochzeitであった場所・・・今は内田樹氏がよく泊まっていらっしゃるようです。

淋しい人生の19年であった。二人の子供を必死で育てた。絵描きというエゴの世界に付き合って・・・

村上春樹氏の「騎士団長殺し」のと同じで、4月の新潮社新刊で川上未映子さんが村上春樹氏との対談集『みみずくは黄昏に飛びたつ』を読み、時間をかけて人生を歩んでいる春樹氏を垣間見られあらためて親しみが感じられ、ただのインタビューではあらないのでした。

そして川上未映子さんの本が読みたくなり古書でみつけてきました。

芥川賞受賞作の『乳と卵』、おかしな題名ですねー。大阪弁の口語調で関東人は読むのに大変です。

おもしろい方です。村上春樹氏との対談から少し連想してしまう彼好み女性かな?

村上氏は言っています。物語の「善性」の根拠は何かというと、要するに歴史の重みなんです。・・・・・・・・遥か昔の洞窟の中にまでしっかり繋がっています。と。そして人は森の奥にこもって物語を語り継ぐんです。とも。

Ichの読んできたグリム童話にも繋がります。

善き人生を送りましょう。

古書でもう一冊

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次々回に・・・
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by madamegrimm | 2017-05-07 07:11 | 人間 | Comments(2)

昨日今日ととんでもない強奪事件がたて続けに起きていてまさに驚愕時代に突入!

丁度昨日銀座を歩いたばかりの同じ場所で何千万円のひったくりがあり、どうしてそのような額が巷に行き来しているのか・・・まさに世はならず者の時代なのでしょうか・・・。

持っていない私は重たい本をリュックに入れて渋谷のユーロスペースまで道玄坂を登って行ったのでした。

セブンイレブンの横を曲がると昔で言えば如何わしい場所の通りを通ると左側に映画館ユーロスペースがあります。

映画日本題『わすれな草』ドイツ題‘Vergiss mein nicht' そのものずばりの題名です。

久しぶりのドイツ語の映画で毎日少しずつの勉強しかしていないドイツ語ですが、会話を聴いているとほとんど聞こえてくる・・・。嬉しい!もっともアルツハイマーの女性の話ですので簡単な会話ばかりで当然なのかもしれませんが日に日に私も衰えを感じる日常で数十年前のドイツ語学が私を蘇えらせてくれました。

今回の映画はドキュメンタリー映画賞をとっている監督・脚本家:ダーヴィット・ジーヴェキング自らの撮影で年老いた両親の記録映画です。

前に何度か老年の映画は観ていますが俳優たちの切羽詰まった演技に魅了されながらどこか本物ではない違和感をいつも感じて映画館を後にしたものですが、この『わすれな草』はアルツハイマーになった母親の姿を追い、その介護の父親を助けるために監督自身が協力し出すのです。

沢山の課題が牛耳込められている内容で、ある意味、人間の美しさを感じてしまう素晴らしいドキュメント映画でした。

父親は数学の教授、その母親は言語学者、インテリの家族の葛藤が皆同じ道にはならない介護の世界を自然体で迫ってこさせる力量に勇気をもらえた作品でした。

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by madamegrimm | 2017-04-21 19:26 | 人間 | Comments(2)

 Zeitungを読んでいると溜息が出てしまいます。

シューベルトの「さすらい人」幻想曲Cdurをリヒテルのあの激しい出だしによって劇的世の儚さを想う私。

もう何をするにもバカらしくなってくる。人々の優しさをもう一度考え直して行かなければ・・・。

自分が自分が・・・これでは人のこころなど推し量れない。

忖度(そんたく)という言葉が流行っていますが辞書を引くと《他人の心中をおしはかること。推察》と出ています。これは相手の気持を忖度することで、優しさの方の使い方ではない。

ひとりひとり顔が違うように一人一人に思いやりが大切、この基本が政治ではありませんか・・・。

さすらう私です。

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by madamegrimm | 2017-03-26 10:34 | 人間 | Comments(0)

現代娯楽文学の極み

 新潮社新刊・村上春樹著『騎士団長殺し』第1部と2部を読み切る。

タイトルに記しましたが見事なまでの現代を極めた娯楽文学と言わせて戴きたい・・・。

このような厚い2冊を一気に読ませる力に圧倒されました。

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果物のネーブルで囲った春樹氏の本、ネーブルとはまったく関係ございませんが、このネーブルが珍しく日本産熊本地方の果物でボン・マルシェで購入、輸入物のネーブル味と比べると少々酸っぱ過ぎましたが初物です。

『騎士団長殺し』の内容は、肖像画家のが繰り広げる小田原郊外での人々との出会いから素晴らしい文章テクニックでフィクション物語を作り上げていく能力は村上春樹という作家の集大成と申しますか、経験が見事に集積された作品になっているように感じられるのです。

こちらの世界とあちらの世界が彼独特の地底への誘いとなって、夢の世界と現実の橋渡しを人間が持ち合わせている魂となり暗喩または比喩的に表現されていく・・・。

後半はメタファーという言葉が使われていきますが、人間誰しも持っている(と思う)自分自身の摩訶不思議な経験をひょっと現われる騎士団長という小人がその離婚寸前の絵描きと秋川まりえと言う少女にしか見えない姿になって物語が展開していきます。

モーツアルトのオペラ、ドン・ジョバンニの話の中からの騎士団長。

とにかくその小田原近郊山間で繰り広げられる驚くばかりの豊富な文の内容で凄い!職人芸です。

誕生日の日に読み終わり、村上春樹さま、楽しませてくださってありがとうございました。

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新宿中村屋の小イチゴパフェ(会食の前の一口^^)
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by madamegrimm | 2017-03-09 17:14 | 人間 | Comments(4)