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カテゴリ:人間( 391 )

 雨模様から曇り空になり徐々に暖かくなってきた今日一日、渋谷のBunkamuraまでひとっ跳び・・・。

用事にかまけてすっかり忘れていましたウイーン分離派に属しますか、グスタフ・クリムトの後輩であるエゴン・シーレの映画『死と乙女』を思い出し、まだ上映していましたので出かけてきました。

シーレ役の新人男優ノア・サーベトラというオーストリア人、アラン・ドロンを想わせる風貌でもっときりっとしている若さ溢れる目鼻立ち。

周りを囲む女性たち、妹・ゲルティ、踊り子・モア、モデル・恋人・ヴァリ、妻になるエディット、その姉・アデーレ等々、エゴン・シーレのナルシスト兼エゴイストと絡む女性たちの複雑な心境が私の高齢者となった今の主観的感想を述べると「若き芸術家の美しい一生」でした。

28歳で病死するエゴン・シーレですが、世紀末ウイーンの時代でクリムトやココシュカ(分離派には属さない)などこの頃の人間への鋭い目線は人々の性への行き着く人間描写に心と共にエスカレートして芸術家の目が注がれていくのです。

日本の浮世絵もそのひとつであり、共通性の線の描写にも繋がって行く・・・。

シーレのあのような肉体をそぎ落としたような作品群を見ていると何を云おうとしているのか・・この映画を観終わってディーター・ベルナーという監督の気持ちが伝わってくるのでした。

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by madamegrimm | 2017-02-23 20:32 | 人間 | Comments(2)

 作曲家モーツアルトの話はいたるところで語りつくされていますが、新たに新潮文庫が発刊した理由も少し不思議に思い買い求めました。

作者はひのまどかさんとおっしゃる方、履歴を見ると日本女子大付属から芸大のヴァイオリン科をお出になり、グループを組んで音楽活動をしていらした方。

彼女のライフワークとして『作曲家の物語シリーズ』をリブリオ出版というところからチャイコフスキーやバッハ、メンデルスゾーン、ベートーヴェン等々クラシック音楽の世界を書いていかれましたが、2015年にそのリブリオ出版社が諸々の事情で撤退し、新たに新潮社との繋がりが始まったようです。

なるほど、出版関係は大変でいらっしゃいますね・・・。

この『モーツアルト』の作品は作者がモーツアルトの曲を沢山弾いていくうちにモーツアルトの「こわさ」に気づき音楽家ならではの感性で文を書いて行かれる内容に、同時代を生きる私にとって大変興味が湧いての読書になりました。

モーツアルトの神童時代から生涯35年を通しての強烈な生き様は、少し音楽家の世界を垣間見た私はモーツアルト・人間の芯の苦しみが伝わってきて、あの美しい天真爛漫な音は苦しみを乗り越えた解放が音譜になって天に鳴り響く音楽になり私たちに束の間の幸せを贈ってくださったのでした。

やはり読書は楽しい・・・。

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明日はモーツアルトの誕生日、大好きなピアノ協奏曲を聴きましょう。
by madamegrimm | 2017-01-26 11:06 | 人間 | Comments(4)

 アメリカの大統領が変わった日にこの本を記すのは何か因縁があるのか・・・。

いえ、まったく関係ございませんが、いつものちょっと気をひく本屋さんで見つけた文庫本、『総理の夫』(実業の日本社)原田マハ著なのです。

こんなに面白いフィクションは政治に少し興味のある方でしたら爆笑してしまう事、然りです。

マハ女史の筆が立つ作風に恐れ入りました。

この「First Gentleman」は相馬日和という鳥類学者で音羽の御曹司・優雅な次男坊の設定です。

そこに凜子と云う凛々しき女性と恋愛して日和の妻となり、その相馬凜子が日本初の総理大臣に就任する内容なのです。

いやはや、その過程の凄まじさに圧倒され、泣き笑いの連続で、いくつかのクライマックスの中での極みは二回目の選挙戦で日和君も最後の応援演説で二人の抱擁に歓声が湧きあがるところ・・・。

主人公・日和が日記をしたためていく形で文が進められていく様式なのですが実に裕福な世界の中の苦悩と歓喜が入り混じった愉快な小説なのでした。

さあ、トランプファミリーも大変でいらっしゃいますね。どのような世の中になって行くのか・・・。
by madamegrimm | 2017-01-21 11:20 | 人間 | Comments(2)

 野球などのスポーツ選手によく起こる肩や筋肉の怪我等で猛烈な独特の治療で再復帰している選手たちをみているとやわな私は信じられない・・・と。

昔一度だけPTAのバレーボールに参加して(50代でしたか・・・)転び、右手首ヒビ骨折をした時のその痛さと治療に長い時間を要し、もう二度とこのような体験はしたくないと思ったものです。

新宿西口昔からの繁華街を通り過ぎると、おー、都庁を中心としたビル街に突き当たりました。

そこの一角、モノリスビルでお誘いを受けたお昼のコンサートに出かけてきました。

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モノリス1階アトリウム内にふたつの楽器が並んで出番を待っています。

12時20分ジャスト、ピアノの方がバッハのメヌエットを弾き始めそのリズムに合わせて後方からシャカ♪シャカ♪っと小さな音からだんだんとステージに近づいてくるパーカッション奏者・安江佐和子さまご登場です。

オレンジとグレーのドレスで始まりました、彼女のそう、強靭なそして優しい美しい繊細な演奏が。

半年のブランクなど微塵も見せない素敵な舞台は一階のロビー道行く人々の心を虜にしています。

お昼休みのこの演奏に出会った会社員の方々はきっと仕事から解き放された幸せなひとときでいらっしゃいましたでしょう。

佐和子さま、お身体お大切に益々の素晴らしきアーチストでありますように。

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春一番の私の大好きな花、この日のチューリップとミモザが彼女の出番を待ち望んでいます。

「苦は楽の種」、プロの厳しさは承知しながら、無理をなさらないでゆっくりゆっくりと・・・。
by madamegrimm | 2017-01-19 11:23 | 人間 | Comments(4)

もう鏡開きの日です

 暮から正月にかけて500頁前後の単行本2冊、家事に追われながら読み続けました。

ひとつは『蜜蜂と遠雷』恩田陸著(幻冬舎)、もう一冊は『罪の声』塩田武士著(講談社)です。

二冊ともフィクションでありながら現在の実景が背景にあってリアルに読み手を惹きつけます。

『蜜蜂と遠雷』は日本での国際ピアノコンクールを舞台にした出演者を中心にしてのピアノ音楽ドラマです。

第三次予選までの手に汗握る主人公4人のそれぞれの境遇がコンクールという切羽詰まった表現競争に左右されながら若さ溢れる芸術家になろうとする曲への想いがドラマティックに表現されていくのでした。

少々劇画っぽいでしたがそれぞれのピアニストたちの曲選びにも大変手がこんでいて中心のカザマ・ジンと言う青年はまだ16歳でフランスの養蜂家の息子で正規の音楽教育を受けて来ず大ピアニストの推薦文で登場してきます。その推薦文は

皆さんに、カザマ・ジンをお贈りする。文字通り、彼は「ギフト」である。恐らくは、天から我々への。だが勘違いしてはいけない。試されているのは彼ではなく、私であり、皆さんなのだ。
彼を『体験』すればお分かりになるだろうが、彼は決して甘い恩寵なのではない。彼は劇薬なのだ。
中には彼を嫌悪し、憎悪し、拒絶する者もいるだろう。しかし、それもまた彼の真実であり、彼を『体験』する者の中にある真実なのだ。
彼を本物の『ギフト』とするか、それとも『災厄』にしてしまうのかは、、皆さん、いや、我々にかかっている。ユウジ・フォン・ホフマン


このような推薦状から始まって行くピアノ・コンクール、沢山の作曲家が登場し、現代のピアニストの皆さんのレベルの高さに圧倒される、まるでそこで聴いているような錯覚に陥りそうになる楽しい小説でした。

そして『罪の声』、こちらは1980年前後、関西の方で菓子メーカー等が脅迫誘拐事件が起こり、未解決で時効になりました事件を作者が推理小説にして、ある大手新聞記者が国際的に捌いて行く内容です。

よく出来ています。あの頃のことがこちらもリアルに蘇えってきました。

小説家の手腕に脱帽です。

さて、少し休んで朝食は鏡開きでお汁粉に致しましょうか・・・。
by madamegrimm | 2017-01-11 00:28 | 人間 | Comments(4)

新年の日々

 元旦にラジオを聞いていましたら新年の挨拶に「新年明けましておめでとう」の言葉で新年と明けましては同義語なので並べて使ってはだめであることをコメディアンが話していましたがあれっ!と思う。

そんなことはない、と私は思います。何故なら新年が明かるく年が明けるのですからちっとも間違ってはいない。どちらの学者さまがおっしゃったのか知りませんがここでもまた疑問発生です。

そんなことを想いながら元旦の街の静けさよ。

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シャッターのしまったお店の正月飾りが多いのに目が行く。

3日目の山間の澄んだ川の流れ

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亡き無臭氏の奥方が4キロ先のご自宅から歩きで訪ねてくださる。何と弘前産シードル1,5リットル入りのビンをかかえて・・・あー、ありがたき幸せ!

車でいらっしゃると思っていましたのでビール、ワインも用意せず、申しわけない・・・。

フランスでよくブルターニュ地方のレストランに入ると、そのシードル(りんご酒)とガレット(そば粉のクレープ)を戴いたものですが懐かしいシードルというお酒に心躍る。

彼女といろいろな話で時を過ごし何も無い山あいの冷蔵庫より急きょお好み焼きを作ってシードルで乾杯!

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大雑把で見てくれ悪いですが美味・・・かな?

すっかり暗くなってしまい帰路を心配しながらスコッチ・ウイスキー‘オールド・パー’を一杯飲んで戴いて「今年もよろしく」で別れる。

無事イノシシにもぶつからずに戻られたメールが入りホッとする。

4日早めに出て医院で薬をいただきMeine Tochterの家へ寄る。次男家族が帰省していて二歳になる孫、あー、Ichのひ孫!ギャフン・・・

それがそれが私と気が合うのでしょうか、可愛いのなんの・・たくさんたくさん遊んできました。まだ言葉は反応早いウムニャムニャクチュクチュ、素早い男児身体で対応してきます^^

私が帰ったら家中を探し回っていたとか・・・胸がキュンでした。

パソコンのバックから「オーケストラ」という映画you tubeの音楽がまだ聞こえてきます。

諦観の一年がはじまりました。
by madamegrimm | 2017-01-05 11:22 | 人間 | Comments(2)

諦観の一年になりそう

 新年が一日過ぎ心躍る変化もなく元旦は飲み過ぎて嘔吐、食道・胃が弱ってきている。

大して飲んでいないのだがくいしんぼうの私は1年いっぺんの正月料理につい手を出してしまい食べ過ぎそして飲み過ぎ・・・もう来年からは作らない。

自分の限界を把握したくない・・・あー、それにしても歳をとって行くとはつまらない人生に繋がる。

このブログもつまらなくなるのですね・・・。

体力は弱り力尽きて人間は終わっていくのです。

つまらないブログでごめんなさい。諦観です。

(記事管理の中に検索キーワードという欄がありますが、今朝そこにつまらないと記してあり失礼な!!ネットのいじわるに頭くる)
by madamegrimm | 2017-01-02 12:38 | 人間 | Comments(5)

 良いお天気に恵まれ都美術館へ出かける。

自分の把握では今月の22日までの開催と思い込んでいた私は第三水曜日シルバー日なのでいそいそと『ゴッホとゴーギャン展』を観賞しようとJR鶯谷駅下車、冬景色を楽しみながら国立博物館の裏道を歩く。

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枯れすすきを眺めながら都美術館裏手に出る。何と本日閉館!表側に出ると早や来年の1月まで休館との事!

何これ・・・、私の勘違いか、都の職員の怠慢なのか、もうお腹の虫が煮えくり返る。しばし佇み、とぼとぼ上野駅の方面へ。

松坂屋までアメ横のまたその横道を歩きながらお昼時のサラリーマンたちの行動を垣間見ながら・・・。

デパート内をぶらぶらして、中央通りを又上野駅方面へ。

「みはし」という甘味処に入りソフトクリームあんみつを食し、さて、表に出て見わたすと遥か彼方に不忍池が見える。

そうだ、枯草を見に歩こう。

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反対側を見ると東天紅ビルがみえます。キャフェがあったような気がし、信号を渡ると、標識に旧岩崎邸庭園方面の矢印が目に止まる。

おお、このようなところに岩崎邸があったのですね。

自然とそちらに足が向く。

広大な敷地の中に佇むこの館は平成14年に一般公開となったそうで、三菱一族の歴史を辿ってきたのでした。

建物は外装工事中でしたが洋館和館庭園とスケールの大きな佇まいはその時代の大富豪が偲ばれます。

地下を通った処にはビリヤード小屋も建てられていて、ふっと今の政府がカジノを作ろうとしている考えが頭を過ぎり、あー、安倍氏も三菱の流れの一人、金持ちはそのような事がお好きなのか、いつの世も人間の心はここでも変わりないのだなーと強者の振る舞いに押しやられている私なのでした。

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ビリヤード小屋
by madamegrimm | 2016-12-22 12:00 | 人間 | Comments(2)

 文春文庫第8刷『漱石先生ぞな、もし』を読み、思わず笑い転げるまではいきませんが、こちらの作者・半藤一利先生、お見事に漱石先生を素敵に分析していらして、笑いに誘われ、読み切ってしまうのにはもったいないくらい楽しい読書になりました。

著者は履歴を拝見すると昭和5年(1930)生まれでいらっしゃりびっくりいたしました。若々しい執筆で読みやすく漱石のユーモアを余すところなく表現してくださり、明治も今も変わりない日本男児が垣間見られ我が身近の人間をあらためて思い抱くはめになるのでした。

やはり夏目金之助は日本男性の永遠、この国の人間を研究したければ漱石の本が基本であることに気づかされる読書になりました。はんきちさん、ご紹介ありがとうございます^^

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by madamegrimm | 2016-12-16 10:20 | 人間 | Comments(3)

詩人・平田俊子風文

今年「紫式部文学賞」受賞の平田俊子詩集『戯れ言の自由』を買った。

読んでいるうちに戯れ言(ざれごと)が極めてきた。

マドレーヌがマーマレードになったり、一字の「か」がとめどなく広がったり

草野心平兄弟愛が出てきたり

淋しき貝殻だったり、

東京駅の移りいく姿に想いを馳せ「今日も人を散り散りにする」と。

伊藤比呂美との往復書簡類の事、

最後は「寒い春」で終わっている。

淡々と綴る中でかわいた精神が人のこころをゆさぶる

京都・宇治市の独特の紫式部文学賞、女性のみの式部に肖った受賞者たちの選別が

私のこころを揺さぶる。
by madamegrimm | 2016-11-28 14:49 | 人間 | Comments(6)