カテゴリ:フランス事情( 55 )

 まだまだ三寒四温には程遠い今日この頃、ワイドショーの気象予報士船木くんが今日のような日を驟雪驟雨(しゅうせつしゅうう)と言っていました^^

マスコミはアメリカトランプ大統領のニュース一辺倒にこの国はどこへ向かっていくのか・・・日々不安がよぎりますがそのような事を考えてもどうしようもない一庶民、多忙に追われながら本屋さんで目についたこちらの文庫本、中央公論新社・戸塚真弓著『ロマネ・コンティの里から』(ぶどう酒の悦しみを求めて)を読了。

懐かしいフランス時代が私に襲ってきました。ほぼ同時代、この方がお書きになっているワインの事柄は丁度同じころからパリに住み始め手探りで日本人社会の方々と交流した食事会での話題の中心がフランスのワインであり、諸々の料理と共に白ワイン、赤ワイン、ローゼ、シャンパーニュ、を皆で楽しみながら戴いたり用意したり、リアルに蘇えってくるのでした。

ブルゴーニュ地方の小さな村から作られるこのかの有名な赤ワイン・ロマネ・コンティを一度でも口に含めたい気持ちになった日本人は沢山いらっしゃいました。想像だけでもまろやかな味わいが私の口の中に拡がって来ます。

この本の中にそこの醸造長のアンドレ・ノブレ氏は、このぶどう酒の香りを、「雷雨の後の、しっとりとぬれた森の中で、一枚の枯葉をひろいあげて匂いをかいだ時のようだ」と表現したのである。と記しています。

ま、フランス人らしい表現ですが、確かにワインはこのような湿度と温度、自然現象が大きく左右されて人々にその一本一本から思いがけない喜びを分かち合うワインの魅力、これには惹きつけられます。

最近の日本市場はイタリア産、スペイン産、南米方面からも沢山のワインが輸入されており、日本産もあなどれません。

フランスで旅をし、その土地で出会ったレストランでの料理に欠かせなかったle vinは私の心の財産であり、こちらの本によって新たな味わいが写し出されてくるのでした。

もう食も細くなり高価なワインはとても飲めませんが若い時に味わったワインと料理の味は決して忘れないものなのですねー。

ワインよ、幸せを有り難うです。

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by madamegrimm | 2017-02-10 14:43 | フランス事情 | Comments(2)

 この日を楽しみにするOyo-の年行事!

今年は少し心配する身内がいましたが、先ほど元気なFotoが送信されてきて、ホッとし、近くのお店で恒例の2016年ボジョレ・ヌヴォーを求めに出かける。

今日は十勝産のゴーダチーズとトマト等でオードブルを作りましょう。

小さな喜びが幸せに繋がります。

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このワイングラスはボルドー系のグラスですが小さめで気に入っています。

早々と味見をしましたが、ほんのり酸味が漂う爽やかなフルーティーの味わいで美味です^^

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やはりボジョレ用のグラスに入れてフルーティ色でカンパーイ!
by madamegrimm | 2016-11-17 16:53 | フランス事情 | Comments(2)

日本近代の歴史と共に

 皇室の昭和天皇の末弟君三笠宮さまが今朝逝去されました。100歳でした。

丁度、河盛好蔵の島崎藤村のパリ生活を読み終わったところで、時代が大正初期の頃のエリート日本人の異国フランスでの心の葛藤が滲み出てくるような情景に、官僚の方々や芸術家たちとの交流と共にその当時の華族も浮かび上がりその頃に誕生された大正天皇の最後のご子息が三笠宮さまでした。

この国の幅広い年齢の人々はこの日本列島で生を全うしていきます。

そして100年の重みを背負った方々はまだたくさんいられます。私も70年以上の歴史を背負って生きております。

そういう今の時代が明治大正昭和そして平成という日本の年号によって皇室と共に独自の格差を表現しています。

謹んで哀悼の意を表するとともに、これからのこの国の皇室の問題、弱者への問題、諸々が恐怖にならないようしっかり一人一人が世の中を見つめ人は皆弱者になっていくことを理解して助け合っていける国を望むばかりなのです。

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明日ちょっと山間へ・・・
by madamegrimm | 2016-10-27 21:24 | フランス事情 | Comments(2)

 今日は第3水曜日、都美術館のシルバー日です。

明日までの展覧会『ポンピドゥー・センター傑作展』を観に行ってきました。

フランスのパリ中心に建てられている独特の建物、国立総合文化施設でもあるセンター内の近代美術がひとりひとりの芸術家の作品と一緒に言葉が書かれた20世紀作品展です。

1945年はどなたの展示もなくシャンソンの「バラ色の人生」が微かな音で流れていました。おしゃれな企画です。

ピカソもマチスもデュフィもやはり目を引きますがシャガールの2メートル以上の大きさの絵は圧巻でした。

シャガールの一番幸せな時の作品です。観る方も思わず幸せ感が・・・

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作品名は『ワイングラスを掲げる二人の肖像』です。

彼の言葉は「私を空想的だと言わないでください。その反対で、私はリアリスト。私は大地を愛しています」マルク・シャガール

年々上野に行くたびに疲れがましてきます。同時展で『木々との対話』というのも開催されていましたが、木を愛する私はちょっと物足りない展でした。

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                      やはり切らない木が好き(上野公園の苔むす木)

帰路、西洋美術館の中にあるレストランで遅めのランチでひと休み。

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まーまーの味でした。

さて、外食ステーキはこれで止めましょう。
by madamegrimm | 2016-09-21 20:47 | フランス事情 | Comments(6)

またメランコリーな日

 Il pleut depuis ce matin.

起きた時から雨が降っている。足の踝がまた痛み出した。どうも治っていないようだ・・・。

身体の一か所が支障を来たすと脳もメランコリーになる。

行く先が重んじられるが致し方ない、私なりに生きて行くしかない。

昨夜、ピカソの映像を観ていたら岡本太郎もピカソと三時間も南プロバンスのピカソアトリエを訪ね話し込んだそうな・・・。

彼はフランスの大学で哲学を学んでいる。フランス語での対話はベテランです。見入ってしまいました。

ピカソの後を引き継いだ岡本太郎は「芸術は爆発だ!」と叫び大阪万博の太陽の塔や、一時紛失していた大作が30年後に甦り、今、渋谷駅の壁画になりました。

東京駅の近くのオアゾービル1階にはピカソのゲルニカ、人間の力はこのような形で爆発してほしいものです。

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                         縄文・土偶

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                          太陽の塔

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                    ピカソのゲルニカ
by madamegrimm | 2016-03-07 11:56 | フランス事情 | Comments(5)

私的香水の話

 この都内地域は初雪、寒さがこたえます。

山間の家の方はかなりの積雪のよう、小さな村から合併して行政は大きく様変わりしましたが、その地域の方々の思い出が甦ってくることが多くなりました。

ブログ友人が香水事情をアップしていらっしゃいましたが、私もそれほど強い関心はないのですが姉妹のなかでは一番香水に関しては興味がある方でした。

プルコワ?パスク・・・又もや登場ですが亡き母の趣味で自分の娘時代から影響を受け、お化粧も香水も知識を得ていったのです。

そして昨年102歳で送った母が残していった香水類、私一人貰い受けたのです。

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今朝いろいろ箱から出して香りを嗅いでみているうちに部屋中が香水の香りだらけになり、今もこうしてパソコンの前で手に振りかけたミックス香りが漂っていて流石香水の都パリがふらふらとおそいかかってくるのでした。

中学生の時でしたでしょうか、まだ戦後復興の最中、父が世界一周を仕事でしたが旅してきて娘心に火が付きました。

海外の香水はその頃からでしょうか、母と一緒に楽しみ始めたのは・・・。

自分が興味ひかれた香りはゲランのミツコ、大人になって愛用するようになり、シャネル5番や19番も出回り、ディオール、ニナリッチ、イヴサンローラン等々・・・美しい香水瓶と共に夢を与えてくれていました。母はジャン・パトウのジョイ・・・これは私には強過ぎ、つけ方にもよるのでしょうが香水は多すぎると品が無くなってしまいます。

ある私的な事・・・一番頻繁につけていた時期、新築した山間の地域にフランスから戻ってきたころです。

地域の用事を引き受けることが多くなり、社会教育委員、国勢調査員、統計調査員等々PTAの役員なども受けてしまい、地域密着の日々がありました。

昔裕福な材木関係の旧家が多い地域、仕事で一軒一軒訪ねていた頃、ある旧家でどなたも居られず帰ろうと思っていた処に奥からお爺さんが出ていらっしゃいました。私を見るなりにこにことなさって縁側に座り統計の話をしていましたら、「おお、いい匂いだなー、昔を思い出す・・・。」「なぜですか?」と伺うと、「材木を運んで街に出るとお姉さんたちがその匂いを出してくれていたものじゃ」・・・

あー、ゲランのミツコ、色町の方々がつけていたのですね・・・。

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                         昨日の花屋さん
by madamegrimm | 2016-01-18 14:58 | フランス事情 | Comments(6)

 フランスは今日を境にいっせいにバカンスへ出かけたものです。昔、住んでいた頃ですが、今のこのご時世ではEUのギリシャ問題も抱え、どのようになっていられるのか・・・。

それでも慣習としてパリの人々は長期の夏休みは恒例でいらっしゃいましょう。

オランド氏の四苦八苦していらっしゃる姿をニュース番組で観ておりますと、今の段階ではギリシャ支援に合意したとのことですが、ギリシャのチプラス政権がこれからどのようになっていくのか目が離せません。

世界の動きはこの東洋の端の国でも人ごとではなく、同じように安保法案に対してこれほど国民の不安を募らせている現状で淡々と事が運ばれていっては天から罰があたるのではないでしょうか。

今日は猛暑の中、台風11号が接近してきているせいか、風が強く生暖かい空気によって昨日ほどの蒸し暑さはありません。

この国の市場(しじょう)は一市民として考えると富裕層と言われる国会議員や株を持って動いている方たちの10分の一で生活している人々が多数を占めます。

街を歩いていると廃墟となった家々が目につき、建て直すことも出来ず壊れかけた家に住むしかない人も沢山います。

人々の心を癒すものがどんどんカットされていっては人の心も育たないでしょう。

私欲を肥やすことばかりに目が行っては他人の心は見えません。

もう表面的なかっこよさは辞めて真の優しさに目を向けませんか・・・。

お水をあげておけば植物も自然に美しい花を又咲かせてくれます。

ハイビスカスがまた花の顔を見せてくれました。

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日本も沢山の人が旅行に出かけられますように・・・。
by madamegrimm | 2015-07-14 15:28 | フランス事情 | Comments(2)

 雑誌「すばる」を久しぶりに購入したのですが、その中に映画評論で野崎歓氏がこの映画の批評をしていらして観たくなり出かけました。

フランス語のタイトルは『La Ritournelle』、辞書をひくと、オペラなどの合間にオーケストラや管弦楽で演奏されることのようであー、それで間奏曲なのですねと納得。

ノルマンディ地方の大きな牧場主夫妻が醸し出すドラマです。

フランスの牧畜産業が巨大な牛によって象徴されるようなこちらの国のスケールが伝わってまいりまして、東洋と西洋の違いをあらためて感じ取れる内容でした。

妻ブリジット役のイザベル・ユペールという女優が地方の女性を見事に演じていられましたが、夫グザヴィエ役がジャン=ピエール・ダルッサンとおっしゃる俳優で味のある演技に魅了されました。

映画自体は田舎の風景の中での若者たちのパーティが遠くの隣家から聞こえてくるような、その音楽もイギリスのロック調で少々間奏曲のごとく日頃の疲れも襲ってきて欠伸をもよおし、あー、地方の若者の心がわかるような・・・。

又そこにいる主婦としての立場や、パリのサーカス学校へ行っている息子の心や、牧場主の男性の立場で妻を見る姿などで、パリに出て束の間の思ひがドラマを盛り上げていくのでした。

パリは野崎氏も書いていらっしゃいましたが見事なまでに絵葉書的パリをいきいきと描き出していて、後半はテンポの早いリズムを感じながら終わりは夫婦でイスラエルの死海に休暇をとって訪れるという設定。

ここであまり表面だっていない事のひとつ、主婦のブリジットはストレスの為に胸の表面に湿疹の出来る病にかかっており、それの治療のための医者探しがこのドラマの中枢となっているのです。

パリで出会ったスエーデンの医者の助言で死海に浸ると良くなるそうです。

ヨーロッパの大きさを感じる現代人間模様映画でした。

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Fotoがボケてしまいましたが俳優:ジャン=ピエール・ダルッサン
by madamegrimm | 2015-05-01 12:21 | フランス事情 | Comments(4)

自由・平等・博愛の精神

 鏡開きの今日、お供え餅を戴いて新年の行事も一区切りです。

お正月から慌ただしい我が家でありますが、世界も大変な事件が又もやフランスに起こり、私は宗教戦争が始まったような気がしてこころ落ち着きません。

根深いヨーロッパの人種問題や宗教が今残酷なかたちで迫ってきています。

人間の宿命と片づけてはいけないとおもいます。

フランスの国の自由・平等・博愛の理想を求めてパリに集中し協力し合おうと努力してきました文化が宗教の違いによって崩れ去ってよいものか・・・世界中が考えなければならない時代に入ってきました。

いま私はラジオのドイツ語講座を聞いているのですが、応用編でドイツの歴史を「不思議の森」という場所に黒猫イクラという日本語とドイツ語を操る登場人物を設定し、ドイツ・オーストリアの歴史上の有名な人とその森で出会って様々な内容の会話をするのです。

ゲルマン人の時代から現代世界まで幅広い人間の歴史を垣間見ることが出来(いえ、垣間聞くでしょうか・・・)、ほとんど戦いによって国が成り立っていくことに今更ながら人間のエゴに圧倒されるのでした。

小さいときに学んだその自由と平等そして博愛精神こそ私にとって理想の思想でした。

どうか皆のこころが落ち着きますよう祈るしかありません。
by madamegrimm | 2015-01-11 14:22 | フランス事情 | Comments(4)

 今年のノーベル文学賞受賞のパトリック・モディアノ氏の作品3冊目を読了。

『暗いブティック通り』平岡篤頼訳(白水社)版です。

前回、『八月の日曜日』と『家族手帳』を読み、いま一つ腑に落ちなくて(何が腑に落ちないのか・・・自分でも定かではないのですが)どうしてももう一冊読みたくなりました。

正解でした。これもなにが正解なのか・・・、主観です。すべて主観です。

凄い作品です。一人の男が記憶喪失的な状態から展開していく過去への時を求めて『私』というあやふやな人間の存在を想像を膨らまし父親とだぶらせながら戦時中のパリの街や、人々のコスモポリタン・国際人と申しましょうかその世界をにおわせながら私は何者であるのかと問うているような、時々鮮明によみがえる有様を交えながら人生において人間の過去の重要性を個の発想から展開してゆき、意外と根無し草的虚無感が漂ってくるストーリーなのでした。

パリの街角がいたる所に散りばめられ、広場や通り名もまるでパリの街を昔黙々と歩き回った過去が私の記憶をよみがえらせられ、スイスの国境近くのフランス領での友人たちとの雪山での情景などでは記憶喪失になる場面でありながらファンタスティックな美が写し出されて思わずため息が出るのでした。

読後の幸せを感じます。

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この題名はもうひとつの『私』のアドレスはローマの暗いブティック通り(ポッテーゲ・オスクーレ通り)2番地のことです。まだミステリアスなのです。

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by madamegrimm | 2014-10-31 16:48 | フランス事情 | Comments(5)