ジャスミンの花の香りで想うこと
2016年 05月 03日
見事に香ってきて沈丁花の香りも追いやられてしまうほど。
この花はモクセイ科で古代エジプト時代から栽培されているそうな・・・。
やはり中近東から欧羅巴にかけての個性豊かな強烈な香りです。
今、須賀敦子の『ユルスナールの靴』という本を読んでいますが、今まで読んできた彼女の随筆の中で一番深い本質が表現されていて、新たに人間の経験がいかにその人になっていくか、花の香りと共に思い知らされていくのでした。
ふっと音楽の事を想うと、前回にモーツアルトの歌曲のなかの『春へのあこがれ』をユーチューブよりUp致しましたが、メロデイーだけのとオーストリアのお子の歌っている表現とを聴き比べてもリアルに日本人のテンポのとりかたは違っています。
音楽を表現する者にとって、この違いはものすごく大きいです。
日本は明治時代から西洋クラシックを取り入れてきましたが、今日、歴史を連ねてきて、ある時期から芸大などでも邦楽科が出来る程、この国の方向性が日本の美の方に傾いていきました。
その国の身についてしまった伝統的なせかいは拭い去ることは出来ません。
西洋クラシックへの憧れはなかなか困難を極めてしまうのでしょうか・・・。
紅葉の若葉が美しいこと・・・。
また、ふっと思う事、森有正も経験のことを書いていて、須賀敦子の世界と共通するものがあり、先達の方たちの苦労ははかり知れない、それでも世界は動いているのです。そして自分は何もしてこない・・・出来なかった能力なしのあほに気づいてからもう何年・・・!
蔦の葉がこんなに大きくなってしまった。
遅ればせながらの私ですが、プロローグが [きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。]
から始まる彼女なりの下駄で育ったところから話が展開してヨーロッパを歩き回るエネルギッシュな姿に圧倒されました。