大寒が過ぎて益々老いを感じる昨今
2016年 01月 22日
真ん前交差点を渡ると竹橋です
右手に見えてきました、東京国立近代美術館
そうです。N氏が今ブログUpしていらっしゃる『恩地孝四郎展』です。(N氏ブログ名:私たちは20世紀に生まれた)
回顧展でもあり、作家一生の作品が見事に展示されていました。
版画に興味を持たれている方は必見です。
1891年(明治24年)生まれ、大正3年頃から凄まじい生を感じさせる作品群に圧倒されながら大正デモクタシーの時代には見事なまでの詩人、音楽家との当時の作品は優雅なものです。
彼独自の一人の人間が心を素直に出しながら作品に繋げて行く姿は才能溢れる何ものでもありません。
色刷り木版画の技術は多感で1927年ころの「美人四季」4点は春夏秋冬がフランス語で彫られ絵は4女性それぞれが思い入れ強く楽しい作品になっています。
「帯」という題の女性3点など色刷り木版の工夫が素敵で見惚れました。
戦後は抽象版画が多く私の眼がいいなーと思う作品はボストン美術館所蔵とか海外で買い取られているのが多く、何かなるほどーとうなっている自分・・・。
最後の作品「自分の死貌」が何故か強く心に入ってしまいました。‘母の胎内へと回帰していくように’と記されており生涯の戦い疲れた後の安らぎが訪れるようでした。(1955年逝去)
帰路、常設展も観てしまったので疲れ果て新聞社ビルの食堂でぼーっとする。
1954年作品『自分の死貌』(実物はもっと鮮明です)