『四つの最後の歌』(R・シュトラウス作曲)の訳詩をもうひとつ
2015年 02月 22日
『春』 薄暗い洞窟のなかで、
私は長い間夢をみていた。
お前の樹々と青い大空と、
お前の香気と鳥の歌について。
いまやお前は輝きと装飾のなかに、
私の前に奇跡のように
光をいっぱいに注がれて、
横たわっている。
お前はふたたび私を知り、
やさしく私を誘う。
お前の幸福な姿に
私の身体はわなないている。 詩:ヘルマン・ヘッセ
対訳:門馬直美
『夕映え』 私たちは悲しみも喜びも
手に手をとって通りぬけてきた。
いまやさすらうのをやめて
私たちは高く静かな地で休もう。
まわりの谷は落ちこみ、
あたりは暗くなった。
ただ2羽のひばりがなごり惜しげに
夕もやのなかをのぼってゆく。
ここにおいで、ひばりをさえずるままにしよう。
眠る時刻になるから
さびしさのなかで私たちは
迷わぬようにしよう。
おお広い静かな平和、
夕映えのなか深く。
私たちは疲れきっている
これがことによると死なのだろうか? 詩:アイヒェンドルフ
対訳:門馬直美
2番目の『9月』と3番目『眠りにつくとき』はここでは省略いたしました。
左のカラヤン指揮グンドラ・ヤノヴィッツのソプラノはリリックでいらっしゃいましょうか、やはりドイツのシュワルスコップの次をつぐドイツ・ソプラノ歌手として静かな感動を与えてくれます。
右の盤はクルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で歌手はジェシー・ノーマン(Jessyi Norman)でこの方はドラマティクソプラノですがこの曲をよく理解なさっている表現です。
みなさま凄いなー。
手に手をとって通りぬけてきた。
いまやさすらうのをやめて
私たちは高く静かな地で休もう。
良いですね。なにか、しみじみとします。