三浦しをんの本を読む
2013年 05月 15日
読み進むうちに、小さな宇宙の世界が見事に描き出されていて、またまた新たな小説家の作品に魅了されました。
山の仕事に立ち向かって行く今風若者が、この日本の古くからの風習に圧倒されながら木こりの世界にのめり込んでいく青春物語です。
舞台は和歌山県の方の山のようですが、この国の山仕事と日常はどこの山間でも通じる山村の人々が醸し出す人間関係として、自分も山間に住み地域の人々と交流を持った経験から手に取るように解り、登場人物のきめ細かな表現に圧倒されました。
「舟を編む」もそうですが、少人数のひとりひとりの心の捉え方が美しく、女性ならではの構成力と申しましょうか・・・、今、出回っている沢山の作品の中から出会った‘小さな美’を発見したような読後感が静かに余韻として残っているのです。
今日5月17日、本屋さんを訪れると、新刊書として「舟を編む」が売り出されていましたの。びっくり・・・。単行本なんです。図書館で借りなければ・・・。