又、多和田さんの本
2012年 04月 27日
雲をつかむような話、いえ‘雲をつかむ話’というタイトルです。
彼女はドイツ・ハンブルグの方の話をよくなさるのできっとあちらの方にお住まいの事が多いのでしょうね。
非常に不思議なゆったりした文章でその中にむむむ?と心に響く箇所があったりして、う~ん、なるほどー、とうなってしまいます。
例えばドイツの図書館に入った時の表現に
{図書館独特の癖のある静寂に包まれる。人間のからだから湿気になって蒸発する不安やいらだちを書物たちの紙の暖かさが吸い取ってくれている。}
まだ半分も読めていませんがのんびり楽しくページを捲っていけそう・・・。
彼女の独特の言葉と言葉のつながりに雲をつかもうとしてふわふわととらえどころのない雲のように、多和田さんの心が母語の外に居るご自分との闘いからなんでしょうね。そして『雲をつかむ話』になって・・・。本当にすごい描写力です。